「白い大地」
--パムッカレ--


眩いばかりの白一色の石灰岩の光景である。

先日のNHK「探検ロマン世界遺産」でも紹介されたこのユネスコ世界遺産は、数千年に亘り流れ続けた鉱泉が作り上げた鍾乳洞の兄弟とも言える天然の芸術作品だ。

パムッカレとは「綿の城」と言う意味だが、文字通り真っ白い炭酸カルシウムの塊が、城壁のように盛り上がり、朝な夕なに幻想的な光景を作り出している。

私は裸足で此処の光景の中に足を踏み出した時、余りの眩しさに複視症状は極限に達し、足元をふらつかせながら、辛うじて滑る足を注意して歩いたものだが、照り返す太陽で汗が吹き出るのを押さえようがなかった。

今にして思えば、このトルコ旅行を通じて最大の危機状態であったように思える。

しかしこの壮大な自然が作り出した景観を目の当たりに見る事の出来た事は、何物にも替え難い貴重な体験であった事に違いは無い。