「貴重な動植物の宝庫を永遠に」 湿地・自然河川・地域発展の核=「岩保木水門」1933年
 今日、釧路川は「道東発展の“みなもと”として重要な役割」と性格づけられている。
 その流域を五ブロックに区画し、それぞれにテーマを設けている。

  (A)屈斜路ブロック:「森と湖に囲まれたやすらぎ水平空間」。
  (B)上流ブロック:「原始河川の息吹を伝える水平空間」。
  (C)中流ブロック:「水と緑にふれあうさわやかな水辺空間」。
  (D)湿原ブロック:「貴重な動植物の宝庫を永遠に」。
  (E)釧路ブロック:「市民がいこう、活力あふれる水辺空間」。

  そこには
 1)「湖沼・湿原の自然を次世代に」、
 2)「地域発展の核となる水辺空間」,
 3)「清流のおりなす自然にふれる水辺空間」の理念が、3点にまとめられて具体化されている.

 平成2年、1990年2月のことながら、釧路開発建設部は釧路川の環境管理基本計画が策定された。
 正式には「釧路川水系河川の環境管理基本計画及び同空間管理計画」と呼ばれる。この計画。
 「タンチョウ舞う大湿原、ロマンただよう霧の川~釧路川~」を基本理念としている。

 我が国が高度成長の時代を終え、バブルがはじける前後。「減速経済」と申すか、「成熟社会への移行」と言うべきや。
 異常気象や気候変動に立ち向かう、入り口にあった。
 ここに釧路川治水は流路・築堤・洪水防止の大型事業から転換した。そう区分できるのではないか。

 管理計画に自然保護、さらには市民をして水辺にいざなう「親水」理念が提案されている。
 「親水」理念とは、「ワイズ・ユース 賢明な利用」。
 そのもう一つの機能として景観、エコロジー、レクレーションなど気候調節や心理的存在などをみすえた計画となっている。

 釧路湿原を国際的に保護する理念を具体化した計画。そう申しても、良いのであろう。
 「貴重な動植物の宝庫を永遠に」 湿地・自然河川・地域発展の核=「岩保木水門」1933年