非常の国用&国民の不虞の予備 正名『未定稿』の「緒言」
「第四 非常の国用(内乱)」「第五 非常の国用(外患)」



『興業意見 未定稿』の「緒言」に見る、前説部分。冒頭から実に鋭い指摘。

「第四 非常の国用(内乱)」では。
 「曩に西南の約四千万円を使用し、為に財政の困難を生じ」、
 「余毒の延(ひい)て今年に及び猶数年後に渉らんとす」(43p)

「第五 非常の国用(外患)」の項目。
 「若し海外に事あるに至らばその費用幾許ぞや」「西南の役の比に止まらんや」
 「軍費を内国に募り、若しくは外国に募らざるべからず」「一国の体面を具ふるものの財力、豈に此の如く脆弱にして可ならんや」(44-45p)

 非常の国用&国民の不虞の予備 正名『未定稿』の「緒言」

全国府県調査で明確になった、国力の不足。4-6は国内の、海外の、そして国民の「不虞の予備」(46p)で「政府の恥辱」と記載する。