失職、出家、災害 「一人になる」&「孤独」違い示す『方丈記』210406
 失職、出家、災害 「一人になる」&「孤独」違い示す『方丈記』210406



 珍しく最初の放送を録画で視聴。
 1)栄進コースからはずれて失職、2)出家して隠遁、3)大火・飢饉・地震の災害。
 3点を「不条理」と受け止め、積極的に「お一人様」暮らし。

 出演者の一人、稲垣えみ子氏は申す。
 「『ひとりになる』と『孤立』とは違うよねー」。「一人になるは、自分の軸をもっている」と。

 アンカー役のアナウンサーは指摘。
 長明は、4)自分をいかすために一人、5)非常に繊細な正確、6)頭の中で他人を排除できない。

 しかし<自分をいかす場>はあった。
 7)和歌を徹底、8)聖地巡礼につとめ、9)和歌所の「寄人 よりうど」に選任され「実に精励した」と。

 治承の竜巻、安元の大火、養和の飢饉、元暦の地震。
 都とその周辺に「天変地異」の連続。「不条理なモノを受け入れることで、見えてくるコト」があったはず。
 そこを「原稿用紙で言えば20数枚」の『方丈記』にということのようで。

 ノートルダム清泉女子大学。
 日本語日本文学科の木下華子(きのした はなこ)氏は示す。
https://www.ndsu.ac.jp/blog/article/index.php?c=blog_view&pk=1575375999

 「私が書く文章は800年後も残り得るのだろうか。」
 「私の文章は、800年の間、読み続けられることが可能なのだろうか」
 「800年とは、生きる時間も場所も異なる多くの人々が作品を書き写し、読み継いできた時間」
 「古典とは決して過去の遺物ではない。それを読む者の今に影響を与え、新たな作品を生み出すような現在性を常に帯びている」。
  (写真は「大福光寺本(現在京都国立博物館寄託)。写真は複製」と)


 ある意味「価値」とは、
 「今に影響を与え、新たな作品を生み出すような現在性」ということでは、ないだろうか。

 番組案内での紹介。その一説。
 「個の時間の大切さを見出し自分に楽な生き方を模索した極意とは?」
 「令和に「ひとり」の強みを自分の内に持ってみては!」
 (nhkETV  210406 「知恵泉 鴨長明 ひとりを愉(たの)しむ〜不条理な世を生きる極意」)。