2015 12/21 08:14
Category : 書評
どなたの本音を代弁? 増田寛也編著『地方消滅』.
元岩手県知事、のち総務大臣の編著で、2014年8月に出版以来、20万部売れたとされている.
日本創成会議・人口問題検討分科会による、「人口急減社会への警鐘」を書く.
産業構造の激変.
95p~123をあて、「未来日本の縮図・北海道の地域戦略」という記載が示されてる.
なかでも「釧路圏」については、人口減少の要因を「産業構造の激変」に求め、「主力産業の衰退が人口減少に直結」と記載.
北海道内の関係者が書いているようであるが、これまで日本経済が、<北海道に求めていた機能>について、理解しようとしていないかのように読める.
率直におもう3点.
本書を読み率直におもった点を3点.
(1)「これまでの国政に対する総括や修正がみあたらない」.
(2)「地域の衰退は市民の努力不足か、外部投資の縮小・移転の結果なのか」、
(3)「人口減少の要因は、子どもを生める年齢階層の女性数の問題にのみ、収斂=まとめること、集約してよいのか」.
「警鐘」は誰のために.
第一章のタイトルは、「人口急減社会への警鐘」.その警鐘は、誰のためのメッセージ、いかなる階層にむけての<努力目標>なのか.
本書の提言を歓迎するのは、エリート官僚に二次・三次産業の財界・経済界か.
消滅の危機を名指しされた市町村は、対応に苦慮するのでは.
もっともいちばんの歓迎は、雑誌に連載、新書出版で「新書大賞」を贈られ、「地域たたみ」とも「農村たたみ」とも指摘される混乱を生みだしている、出版社かもしれないが.(中央公論社 2014年).