アカデミィア・コンソーシアムふくしま編『地域学を考える』
 アカデミィア・コンソーシアムふくしま編『地域学を考える』。アカデミィア・コンソーシアムふくしまは、文部科学省の「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」に採択されたのを機会に、「福島県高等教育協議会を発展させるものして組織された」と、紹介がある(4p)。

 そのプログラムのひとつが、「福島学」プログラムメンバーという組織ということになるらしい。会津大学、東日本国際大学、福島大学、日本大学、福島県立医科大学に民間の奥会津書房という組織が加わっていることが、県内の高等教育機関のなかでいかなる位置を占めているかを県外住民として読みとることは難しいが、それにしても平成22年、23年と議論を積み重ね、福島県が当面する「福島の復興」、「福島の再生」に「どう関わることができるか、その可能性の大きさを知ることができた」(5p)成果は、ひたむきでさえある。

 基調講演の遠藤由美子氏は「会津学と会津学研究の活動」で、赤坂憲雄氏が提唱する「(他所者が)この地域をどう見るのかではなく、この地域に生きているあなた方が、この地域をどう見つめるか、そのことを一緒に考えませんか」と紹介する(11p)。
 虫おくりと虫供養。三島町早戸地区からの紹介。虫送りは「村のなかに外注を入れない、入ってきた害虫は村はずれまで送ってゆく」が伝統行事。しかし、それが近年、いかにかわっているか。かつては「虫を村から追い出した」が、今は「ハエやアブなどの虫(注 害虫)が納められているもの」を「焼くのです、殺すのです」。背景に、廃棄物処理法にひっかかるためとする(30p)・
 対になっている虫供養を済ませて、関係者のひとりは「これやんねーとな、落ちつかねのよ。おれたちはいつのまにかいっぺえ虫殺してきたし、これやっと、ちと落ち着くんだ」(32p)。

 地域のなかに、「自分も生きている、あんたも生きているだね、その共感の中で同じ土地を共有してきたのだということを教えてもらいました」(同)。

 補助事業で取り組まれた高等教育機関連携による取り組み。これからは自前の事業で継続したいと表明されている。(アカデミィア・コンソーシアムふくしま 2012年)。

編集 freehand2007 : ありがとうございます。本当です。
編集 ペン : その地域に残る伝統は繋いで行って欲しいものですが最近はそうも行かないようですね。共存共栄・・言うは安し行うは難し・・