大塚滋著『食の文化史』
 大塚滋著『食の文化史』。世界の東西、食志向の相違を海外生活の経験、食品化学の専門の立場から考える点にはじまる。

 「(血だらけの豚の頭)残酷だなー」の著者に、若き女性は「牛や豚は人間に食べられるために神様がつくって」と、一人のお嬢さん(3p)。
 洋の西では小鳥を串焼きすることこそ残酷と受け止められると、する。

 本書は食関係雑誌に連載した文が集大成された。肉食、魚、菜食、米、麺、パン、牛乳、醤油、オセチ、日本の味と香りと、17話。

 イモ類と穀類のカロリー比較に関心。目方の割に、カロリーに大差があるというのだ(180p)。
 100グラムあたりでの対比。米・麦=330cal、サツマイモ=120cal、ジャガイモ=80calと示す。

 箸とフォークの文化。箸の使用が可能なのは調理段階で小分けに仕立てるからで、食卓に出てきてから細分化する必要がないから、だ(181p)。
 日本の地方で、民がしきりに官の役割にに期待するのは、そもそも「細分化した形で、用意されて出される」に、あるのかも。(中公新書 1986年)。 

編集 freehand2007 : 書き込みありがとうございます。確か、ありましたっけ。「今までは暗黒であったが、これからは違う」という趣旨。維新政府の言い分が。そのあたりからまたまた、官が強くなったのは。
編集 ペン : 狭い島国でも食は随分と地域によって違いますね。庶民が官に期待するのは其れが役目だったからだと思います。農家は米を作り役人は政をする・・完全分離体制だったのですね(笑)だから明治政府も「知識の無い庶民をわれわれが指導せなあかん!」と^^