青丹 小野老
 青丹よし。この歌は、小学校6年生のときに教えられた。教科書に出ていたのだとおもう。

 歌は暗記した。すらすらと、覚えた。のちに、万葉集に登載の歌と知った。青丹は、奈良の枕言葉であることや、小野老という人の歌であることは高校時代くらいに、教えられた。

 意味がわかってきて、青は緑っぽい色、丹は朱というか赤にちかい色の一種と知り、身近に生息する「丹頂」は、その鳥の頭のテッペンが「丹色」であることによるなど、色についての理解が広まったのは、さらに後年のことである。

 小学校のとき、「青丹によし 奈良の都は」と教えてくれた方は、ご存知であったのかと、考えてみたりもする。

 青丹のモデルは春日大社の壁・柱と格子の色合いであるとする。青は朱を引き立てる役割があり、成分は緑青。奈良は青土の産地で、ゆえに奈良の枕詞であるという。

 丹は朱が3分、結丹が7分で混合されてきたと教えられた。鮮やかな色合いが、バラつくことなく、マチ中に配されてきた秘密でもある。正月番組をみていて、ひとつ詳しくなった。