雌雄阿寒岳は夫婦、が雄阿寒岳に妾山(山本多助談「阿寒岳の争い」)
雌雄阿寒岳は夫婦、が雄阿寒岳に妾山(山本多助談「阿寒岳の争い」)

 『北海道の伝説』(北書房 1970年発行)271~273pに所載の「アイヌ民族伝説」。
 「雄阿寒と雌阿寒は夫婦の山であったが、雄阿寒には北見留辺蘂の裏にあるポンヌプリ=「小さい・山」 の意 と言う妾山があった。
 「あるとき魔神のニッカムイが現れて、山のくせに妾をもつとは生意気だといって持っていた槍で雄阿寒を突き刺し」。

 「なんの罪もない何の雌阿寒の頭を突き飛ばしてしまった。雌阿寒の旧噴火口はその時の魔神の槍跡であるという」。
 (略)「北見富士のことをオプタテシケ(=槍のそれた)というのだ(美幌町 田中フヨ姥伝)。