優等生・酪農大型化経営の危機 政策誘導の一到達点、北海道の今221201-後-
 優等生・酪農大型化経営の危機 政策誘導の一到達点、北海道の今221201-後-

 優等生。北海道酪農をかく評するベース。
 その第一は、国際化時代の対応をめざし政策誘導してめざした乳牛多頭化飼育の到達点。
 次に第二は、化学肥料で育てる飼料、輸入飼料の給餌で賄う量産確保、均質生乳の生産、
 結ぶ第三は、北海道産生乳を<加工乳>と区分し、本州産<飲用乳>よりも低価格で大量確保。

 国産飼料は高価。ヒトの食糧も経済動物の飼料も海外依存。
 化学肥料で粗放栽培の量産海外産飼料に<旨み>は担保されているや。
 自動車を購入してもらう販路が重要で、海外農産物供給に大きく依存、カロリーベースの<食糧受給率>は大きく、低迷している。

 コロナ禍。本邦が受け入れる海外技術研修生の入国が制限され、たちまち農業労働力の不足が指摘された。
 ロシアのウクライナ侵攻。食糧供給がストップし、石油価格や輸入肥料価格がたちまち高騰した。

 さきに記載。「量産確保、均質生乳」。
 それって、誰のための、なんのための生乳生産。メーカーのための乳製品加工のための生産。そういうことではなかったのか。
 家畜もヒトもそれぞれに個性がある。それぞれの経営が個性を発揮することが、どうなのか。

 一農家が<旨み>に思い入れ、<脂肪含有量>が高く、高付加価値の生乳生産を達成したとして。
 メーカーは、そうした<個性的生乳>を<期待していない>というよりも、均質製品の量産確保。そこにネライがあった。

 以上に応えるべく「多頭量産」で生き延びた経営。
 そのバックヤードを支える飼料・肥料の高騰。供給乳量増と肉牛価格低迷。
 生き延びてきた「優等生・酪農大型化経営」に、危機を産み出している、のでは。