這間」は「しゃかん」と読んで・・・・ 高群逸枝『母系制の研究』序説2220920
 「這間」は「しゃかん」と読んで・・・・ 高群逸枝『母系制の研究』序説2220920

田舎に置いてあった高群逸枝著『母系制の研究 上』。講談社文庫を持参して広げ、読み進むうちに。
 「這間」のキーワード。調べてみると「しゃかん」と読んで「この間」の意味。
 「この間」は、「このかんに」の意味なのかも。「このあいだ」の意味には捉えにくいが。

 「女性史は女性の文化の発達を研究」「女性自身の立場による見方をももつもの」とする(12p)。
 そのうえで二つのテーゼを総合する考え方として、「(女性史は)女性の立場による歴史研究の学問」とむすぶ。

 他方で「女性史に対し文化史の設定は」と問い、立ち上げようとする女性史の学問的座標軸を明示しようと論ずる。
 「文化史は綜合的な学問」「女性史は特殊的の方面を有している」と住み分ける。

 「文化史の誕生は、女性史に対して種々の示唆をもたらす」としながらも、「文化史の一部としての女性史ないし女性文化史を考察」とする論には、一線を画している。

 『母系制社会の研究』に注目する背景はなにか。
 西洋の産業革命から時日を経過。男性が<良かれ>と中軸を占めてきた社会に課題が。
 1)格差と分断の拡大と深化、
 2)自然の復元力や自浄作用の臨界値を超える地球規模の負荷。
 3)次世代に臆面することなき債務の拡大と後世代負担。