被害軽減の指標 自然災害伝承碑211231
津波到達点示す石碑(いしぶみ) 自然災害伝承碑211231

 2011年当時、『北海道新聞』の紙面で読んだ。津波の到達高度を示す石碑。先人が錠剤を提供し、汗して築いた一基の碑が「今回もまた住民の命をつないだ」。
 本州で発行されている新聞紙面で報じられた内容が出発点になっていたかも知れないが、北海道内一円で読まれている新聞紙面でも報道された。
 「この地点では、ここまで逃げておくと、助かる」。石碑=いしぶみ は、被災者の遠い未来の世代に残したメッセージ。

 当時の住民に「地震は繰り返すの思い」があったかどうかはさておいて、地震も津波も防ぐことはできないが、人命を守るうえで不可欠。
 そう考え、行動した「知恵」である。催芽を津波のみにとどめないで、洪水・噴火・土石流など含めて、その教訓と被害の軽減をめざす取り組みは広がっている。

 自然災害伝承碑-国土地理院は、次のように規定する。
 「国土地理院では、災害教訓の伝承に関する地図・測量分野からの貢献として、これら自然災害伝承碑の情報を地形図等に掲載することにより、過去の自然災害の教訓を地域の方々に適切にお伝えするとともに、教訓を踏まえた的確な防災行動による被害の軽減を目指します」。