蝦夷地は五部に 蝦夷国全図=『三国通覧図説』付図。
 蝦夷地は五部に 蝦夷国全図=『三国通覧図説』付図。

 「ノツサフ」「キイタフ」と明快な地名記載がうかがえる蝦夷地東部の記載。



 作られた天明5年にして、「キイタフ」=「是ヨリ北ヘ日本舩不行」の記載。

 その手前「アツケシ」には、「アツケシ 此地大材多」、「此入海皆 アツケシ支配」。

 確かに木材は多かったけれど、時代はもう少し進んでいて、漁業の入り稼ぎが始まっていたのではないか。

 漁業の入り稼ぎを担うのは陸奥国でも南部家の実態。
 隣家=伊達家との間には、「なお若干の情報のスキ間が」ということ、か。

 『三国通覧図説』は、
 「国防的観点から地理・風俗を解説」
 「海防知識の普及を図った」
 「ロシアの南下に対抗するため蝦夷地の開発を提唱」とすのが、一般的理解。

 「縦97.0cm×横53.5cm」のサイズに、「凡四十三度ヨリ五十一二度ニ係テ」と緯度が記載。そこから、「世界地図のなかに位置する蝦夷地図」の評価もあるが。