グローバルな視野をもった作品に 「坂の上の雲」 101205-1226nhkG放送
グローバルな視野をもった作品に 「坂の上の雲」 101205-1226nhkG放送

 「制作者からのメッセージ」 第2部演出&脚本 佐藤幹夫筆で記載されている。
「イギリス、ロシア、中国という、それぞれの異なる立場でドラマが展開」「当時の日本がいかに近代化を急いだか」「(そのために)たくさんの多くの人が命をかけて国を新しく、強く、豊かにしようと力を尽くした」



第二部を担当されたエグゼグティブ・ディレクターは、その一端を紹介する。
我が国の近代化を、もとより国内に軸足をすえながらも、海外目線で問いなおしてみる。
「戦争というものはどちらか一方が『悪』というものではない」。両国の国民にとって「お互いに戦いたくはないのに戦争が起きてしまうのが悲劇」望んでいない戦争が起きる」。

「(正岡)子規の死がいちばん大切な部分」と位置づけ、三人の立ち位置を示す。
「命の限り懸命に生きようとする子規」「それを見守り励ましていく真之」「自分の青春をすべて悟性にして兄を看病する律」と示して、「演出でいちばんこだわったのは子規と真之と律のシーン」と、演出の骨格を明かしてもくれている。

 本邦のたどった、近代化の道筋。
本書はご存じ、司馬遼太郎作品の同名原作のドラマ啓発書。放送時に寄稿者のお一人たる演出担当のお方が送って下さった。

あらためて朔北の地で読み返し、浮かんでくることが多い。その一つは、薩摩・島津家漢方医の子息だった前田正翁こと。

「北海道の風土はロシアのそれに、よく似てる」。学部時代にロシア文学を専攻とも聴いていた。
振り出しの地方局勤務地は、「本人たっての希望」で選ばれた由。そう経歴で読んだ。
このことは本稿を記載する過程で承知し、往時の記憶を呼び戻すことに。司馬作品の愛好者は多い。

なかに作品化をして、「ドラマ化はイメージをこわす」の論があるかも。
しかしドラマ化は、そうした論を承知で「原作者の構想をさらに豊富にひろめた」.
つまり「あらたな読書領域の広がりを提示」の側面こそ<むしろ重要>と、うけとめたのであるが。