外発誘因による官民投資依存型経済 “地域が文化を創る”米屋孫右衛門家
 外発誘因による官民投資依存型経済 “地域が文化を創る”米屋孫右衛門家

 戦国時代、“朝鮮征伐”の代償を払った秀吉・家康政権は、南の琉球と北の蝦夷地に植民地を用意した。
 対アイヌ民族。自然採集経済を生業とする地域に、投資せずして得分を手にする対マイノリティ&本州側商品との“交易”を通じた従属関係を組み立てた。
 時代はうつり、対中国貿易赤字・畿内農産品増産・対ロシア脅威を背景に、資本・生産手段・出稼ぎ労働力を投入する“漁業経営”を独占する経済システムに移行した。

 蝦夷地産品の産地とその消費市場を結節するのは、資本力を有する本州側商人。

 豊富な資金、消費&生産の品を輸送する廻船手段、生産地港と消費地港のそれぞれ問屋を仲介して、流通・販売ルートを独占した。
 母村から漁場まで旅賃を前借、漁場での衣食住+生産手段込みで借用して、仕事納めに“稼ぎ高”を精算。当然、元本のほかに高利息が伴う。
 当然、漁獲物の買い取り価格も商人側が設定する、従属形態。
 
 良いの、悪いの。かく申しても商人がバックにする流通・販売ルートに乗せて、初めて価値を産む。
 本州農村に滞留する“裸一貫の農民”。今日的に申すと“日払いバイト”。
 因みに「日払いバイト」とは、「即日勤務も可能。高時給・高収入な短期バイトや即日払いの単発バイト」。

 結果。域外商人の資本・技術・価格設定=外発誘因、新鮮漁獲物の付加価値形成。
 そして成果品=商品は、政権・諸湊問屋・仲介商人=官民投資依存型経済。
 この枠組みで、北海道は近世・近代を“本州経済の補完”機能で位置することに。
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「軽物 かるもの」の名があった蝦夷地交易品 その用途 鷹・鷲250405
 鷲は弓矢の羽。鷹は鷹狩りにもちいられた。
 鷹の主要産地は津軽・南部・松前の東北、北海道の3藩が代表であった。
 鷹は最高権力の象徴であった。だから優れた鷹を厳重な管理のもとに、輸送し将軍家に献上するものである。
 シラヌカ場所 91年(寛政3年)にも飛内儀右衛門持(東蝦夷地道中記)。
       「蝦夷商賈聞書」によれば出物はトカチ場所と同様干鮭などで、塩鶴はないという。
  掲載図は【タンチョウの生け捕り】(『蝦夷風俗図』函館市立図書館所蔵=「クスリ商場の開設」 『釧路昔むかし 釧路歴史散歩』)
  https://www.hokkai.or.jp/history/kusiro-mukasi/1-3.html

 「軽物 かるもの」の名があった蝦夷地交易品 その用途 鷹・鷲250405
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地域振興=雇用が、経済が でわ具体策を
 選良。聞きなれぬか、選挙で選ばれた人=転じてエリートのこと。
 1 仕事があるから集まって来たマチ。今度は集まって来た人が雇用をつくる。
 2 炭鉱が閉山した。炭鉱に代わる雇用を創出しなければいけない。
 3 少子高齢化の時、人口減を防ぐために、まず経済政策。

 地域の時代画期ごとに識者は、さまざまな処方箋を示してくれた。1)~3)はその代表例。
 なかには高額か否かは別にして、講演報酬や調査費用も負担した例も含まれる。
 1)は1978年、前年の国際漁業規制、つまり200海里問題をうけての処方。
 2)は創業82年の坑内掘り炭鉱が閉山し、直轄1000人、下請け500人余の雇用が喪失した時。
 3)は日本製紙(株)釧路工場の抄紙部門が停止したあとの市長選挙を前に、
道内配布紙の支社報道部記者が、記事にしていた一行。

 読んだ読者、市民。一様に思うようだ。
 「雇用創出」「経済政策が大事」。それは十分に承知している。「知りたいのは、その具体的内容、それが見つからずに困っている」。
 そういうことではないか。
 で、その答えは?。多くの人が、「あなたは、<わが事>として、なにを?」。「そこ教えて」。

 3)の取材で聞かれたとき、筆者は3点考えた。
 4)「(閉山した炭鉱が跡地を放置した点を念頭に)グリーンニューディールで自然再生」。
 5)「(ただ「掘る」「伐る」「獲る」「作る」「搾る」の経済に)自前で価格設定できる付加価値の創出」
 6)「外発誘因で生み出した受益を、内発誘因型経済に充当」
 記事で扱われたのは4)のみであるも。
 
 1)~3)を語られる選良。私案を示されてはいかが「雇用が、経済が でわ具体策を」。
 掲載画像はLINEで頂戴。岐阜県美濃加茂市の桜、と。
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大佐渡&小佐渡の二島 砂丘がつなぐ国中平野 暖流寒流接点で多様な水産物 佐渡島の自然250403
 大佐渡&小佐渡の二島 砂丘がつなぐ国中平野 暖流寒流接点で多様な水産物 佐渡島の自然250403

 最近、なにかのTV番組に登場の佐渡島。
 「金山の食料をささえた国中平野」と、紹介。俄然、この佐渡島はいかにして形成されたか。
 結論は「金北山 H=1172メートル」の大佐渡、「大地山 H=646メートル」の小佐渡。

 その二島がくっつき、その間に両津湾と宜野湾が給する砂が堆積して国中平野が発達。
 約300万年前。日本列島全体がプレートに押されて隆起を始めると、海底にあった佐渡にも力が加わり、大佐渡、小佐渡が二つの島となって海上に顔を出した。
 ところが先立つ約3000万年前の大地をしっかり抱えたまま隆起したおかげで、佐渡島には豊かな金銀鉱脈が存在。
 (「二つの島がつながった金の島 水が語る佐渡│ ミツカン 水の文化センター機関誌『水の文化 61号』)

 沖合は暖流と寒流が接する。暖流=対馬海流&寒流=リマン海流。
 暖流にシイラ、カツオ、アオリイカがのり、寒流にはブリが漁獲される多様性。
 植生でも寒地(北方)系・暖地(南方)系の両地方特有の植物が同居する、非常に珍しい植生地域。

 生涯学習資源が豊富。つまり魂を揺すぶる出会いとおもてなし、満載。
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皮をむいたリンゴ、茶褐色になるように 発酵・萎凋・揉捻と緑茶、烏龍茶、紅茶250402
 皮をむいたリンゴ、茶褐色になるように 発酵・萎凋・揉捻と緑茶、烏龍茶、紅茶250402

 喫茶は飲酒&喫煙とならぶ暮らしの折り目。
 「これぞ、その原稿を書く前には一杯の茶」。人により茶=抹茶、緑茶、コーヒー、紅茶といろいろあれど、も。
 250402「世界史の探求 高校講座」の時間に紹介。「緑茶、ウーロン茶、紅茶はいずれも、同じ茶木・茶葉から出来ています」。

 そうかー。で、「緑茶=不発酵茶」「ウーロン茶=半発酵茶」「紅茶=発酵茶」の差異。
 ところが「注」があった。二点。「発酵=微生物の働きによって物質に(人間にとって有用な)変化が生じること」
 しかし、「茶の発酵」は違う、と、「お茶における発酵=茶葉中の酵素の働きにより、葉中のカテキン類が酸化すること」を言うのだそうだ。

 お茶の発酵にとって大切な製造工程に「萎凋 いちょう」という作業が行われるのだ、と。
 特にウーロン茶=判発酵茶&紅茶=発酵茶の製造に欠かせない大切な工程というのだ。
 仕上げに申す。重ねて、その発酵にとってたいせつなことは「必要なことは揉捻 じゅうねんの工程」。

 これによって、紅茶ならではの華やかな香りや色合いが生み出される。
 う~ん、なかなか奥が深い。おろそかに呑むことなかれ「煎茶一服」。
 おさらい:
 1)お茶の発酵=茶葉中の酵素の働きにより、葉中のカテキン類が酸化すること。
 2)萎凋 いちょう=茶葉中の酵素の働きにより、葉中のカテキン類が酸化すること。
    (生の茶葉を放置して萎れさせる工程)(つまり、皮をむいたリンゴに似て、空気にふれると茶色に変色する現象=烏龍&紅茶)
 3)揉捻 じゅうねん=酸化酵素が活性化した茶葉に圧力をかけながら揉んで酸化を促進、酸化反応が均一に進むようにする工程

 原稿を書く時世話になる茶。心して喫せねば。(図版=健康堂東京 HP)
 1)は緑茶・烏龍茶・紅茶に共通するも、2)&3)は紅茶・烏龍茶の製造には欠かせない大切な工程、と。
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相当遠慮がち=“私を変えます” 「ガイド候補生続々 釧路 要請・観光講座12人受講」(『釧路新聞)250330一面
 相当遠慮がち=“私を変えます” 「ガイド候補生続々 釧路 要請・観光講座12人受講」(『釧路新聞)250330一面

 釧路観光ガイドの会(木村浩章会長 2002年創立)が主宰の「ガイド養成・観光講座)の第2年次ガイド養成・観光講座が開かれた。
 参加者は12名。主宰者も構成会員が圧倒的に80歳台となって居るに対応、若手後継者の発掘・育成に努める、と。
 ここ3年。続けてきた「釧路の魅力発見・観光講座」の受講者の中から、さらに意欲ある市民。その参加で二年次目の講座が3日間、修了との報だ。

 取材した郷 裕策記者は「活動継続へ育成に力」と小見出しを付け、会社勤めの50歳台女性、神奈川から移住の40歳台女性の声が紹介されている。
 3年前、筆者は聞いたことがある。「全市のガイド養成を、ガイドさんの団体が主催するの?」。
 返事。「自身は官庁で開催した講座で育った、今や、役所も経済団体も開かない」。

 ために後継者供給のパイプや、育つ機会がなくなったのだ、と。続けて。
 「で、会員が受け取る日当から一部を天引きして、自前講座開催の運営経費にあてる」と。
 2002年に初めてかかわった者として、驚いた点を記載しておきたい。
 地域政策では、公共団体も経済団体も声高に「観光、観光!&観光」。
 
 しかし、おいで頂いた客人。受け入れる対策は、人材育成に始まり、貧弱。
 そうではないか。「観光=魂を揺すぶる出会いとおもてなし」。その策は、無策にといってもいかが。
 ひたすら「来い、来てよ」は、旅行代理店を潤すのみで、いや、それとても<おぼつかなくなる>のかも。

 3月30日、市内を中心に配布される紙面のトップ記事をみた。
 従事者は尊く、しかしである。その汗で支えられる階層は、いささか“努力不足”かと。
 観光=他者の努力で<フトコロ潤す>で票になる。
 その行き詰まりに<他者変えられぬ、自身がかわろうと生涯学習>。その尊さに刮目すまいか。
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 「寒冷」=有力資源 <雪室 ユキムロ>で寝かせ7月上旬出荷「雪中酒」飛騨市河合町(202503 中京テレビ)
「寒冷」=有力資源 <雪室 ユキムロ>で寝かせ7月上旬出荷「雪中酒」飛騨市河合町(202503 中京テレビ)

「寒冷」は有力資源。活かすは、地域総量の知恵、着想力、開発力、か。
 岐阜県飛騨市河合町。老舗の酒造所では<豪雪で造ったムロ=室で日本酒を寝かせる>作業。
 中京テレビが伝えた。「暑い夏の贈り物に人気「雪中酒」。「まろやか かつフルティな味わい」、と。
 
 「豪雪地帯で知られる岐阜県飛騨市河合町で、6月に出荷する特産品『雪中酒』の蔵入れ作業」。
 「生酒の瓶3000本を蔵元や地元関係者が幅50メートル、高さ15メートルの雪室に次々と運び入れ」。
 「雪の中で3℃に冷やし約3か月じっくり熟成 冬にしか味わえないしぼりたての生酒を夏に」と。

 亭主関白は、もはや通用するまい。
 「あなた造る人、ワシ食べるヒト」と、評論家をめざす時代は終わったのでは。
 地域の旨さを育てる。そこに向け、知恵、経験、着想力&開発力が不可欠では。
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OBOG運営、クラブで自主参加型生涯学習、市民カレッジ博士称号 釧路湿原シニア大学=釧路方式・高齢者講座
 OB&OG運営、クラブ単位で自主参加図書館型生涯学習、市民カレッジ博士称号 釧路湿原シニア大学=釧路方式・高齢者講座

 特質の二。それは、「クラブ単位で自主参加図書館型生涯学習」。
 自治会を立ち上げ、4班=「1.記念誌」、「2.親睦会」、「3.ボランティア」、「4.スポーツ」にわけ、「親睦」は「まち・あるき」&「カラオケ」の2グループ。
 カリキュラムの第2&第4火曜日の講座は班別に受講メンバーが固定されるも、クラブ活動では受講者自身の仲間づくり。

 その内容も、参加者が独自にテーマ、学習機会、進め方を参加者で検討&実施する学び方。
 カリキュラム講座が、運営者の提案と設定、つまり「団体動員公民館型生涯学習」ですすめらっる。
 対して「自主参加公民館型生涯学習は」は、高齢者講座に成立した<多様な学習スタイル>を特色づける。

 <釧路方式・高齢者講座>の第三。それは「市民カレッジ博士称号」の制度を設けた点。
 履修時間の設定を「300時間以上」。北海道生涯学習者協会が示す「道民カレッジ博士」の要項に準拠している。
 新制の学位記が「発給高等教育機関名」を付すのに倣い、「市民カレッジ博士(シニア学 釧路湿原シニア大学)」とし、その証も「学位記」とはせず「称号記」とした。

 「称号記」は2025年3月27日、第一号から第27号まで発行した。
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挨拶 学び続けた意味評価&地域に敬愛の文化を~市民カレッジ博士(シニア学 釧路湿原シニア大学)贈呈
 挨拶 学び続けた意味評価&地域に敬愛の文化を~市民カレッジ博士(シニア学 釧路湿原シニア大学)贈呈

 ここに釧路湿原シニア大学 名誉学長に就任下さった鶴間(つるま)秀(ひで)典(のり)・釧路市長、来賓各位のお運びをいただき、
第十回釧路湿原シニア大学卒業式を。あわせて
第九期 釧路湿原シニア大学院修了式。特にこのたび
第一回市民カレッジ博士(シニア学 釧路湿原シニア大学)称号記贈呈式の運びといたしました。

今期は学習期間二年の釧路湿原シニア大学が純民営で発足し二〇年目にあたります。
ただ今は第十期生35名に卒業証書、皆勤賞を坂下(さかした)知子(ともこ)さんに贈りました。
第九期大学院修了証書を20名に、
第三期から第六期27名に称号記を、受け取っていただきました。

 この時に永く学びつづけてくださった皆さんに深く敬意を
申しあげます。
 殊に釧路湿原シニア大学 第三期から第六期の各位には、一六年~一〇年間在籍されました。
 すでに「生涯学習体系への移行」が主唱され、「知的基盤社会」の指摘も主張されておりました。

 ひたすら「学べ」、「学ぼう」の言われる中、今、「学んだ意味の評価」をもって受講者を讃え、地域社会は「市民カレッジ博士」称号を得た方を敬愛する文化を創りたく、ここに称号記贈呈を考慮したところであります。
 本日、卒業・修了の皆さんとともに、その意義を讃えるところです。

 含めて各期をお迎えの皆さんの、長きにわたる〝わが身を鍛える″努力は尊く、健康に恵まれ、環境にささえられ、今日の日をお迎えになられた点、高く賞賛いたします。

 「卒業生が高齢者講座を運営」する理念のもと、深い愛情と筆舌に尽くしがたい地道な努力の上に、釧路湿原シニア大学の伝統を支え、永続のスピリットを育てて下さいました。
 非力・稚拙が指摘されるも「釧路方式」たる高齢者講座を継承された点。驚きと感動に値し、これぞ「高齢者は知的=インテリジェンスの資産家」(折茂肇・医学博士)と讃えるところです。

 本年は「昭和百年・戦後80年」です。
 我が国が国際社会に背を向けたのち、「理性を捨て、感情に走った」(保阪正康・ノンフィクション作家)ことで、広島・長崎の惨事、本市も地方都市空襲の被災をうけました。
 「理性を捨て、感情に」走るのテツを踏まぬは高齢者の知恵。私たちは磨きます。

 自身の頭で考え、私の言葉で発信し、自らの信念で行動する生き方を〝後ろ姿”で示して参りましょう。
 健康に留意され、幸多きこと願いおります。

 いずれの時もいずこの地にあるも、互いに励まし合い声かけあい〝人生百年時代″を、共に生きてまいりましょう。
 卒業・修了を讃え、挨拶させていただきした。

令和7年3月26日    釧路湿原シニア大学長
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シュパチ古戦場伝説 寛保3年「買い荷訴え」 伝説と史実のツジツマ250407
シュパチ古戦場伝説 寛保3年「買い荷訴え」 伝説と史実のツジツマ250407

掲載図は、25年2月3日に『釧路新聞』12面に投稿した「シュパチ古戦場伝説」の抄訳である。
 釧路川下流部の幣舞丘陵を舞台に、ハルトリコタンとシラヌカコタンの間で、戦闘があったことを伝える内容を抄記した。
 一方の生活圏のエカシ=長老が、出産品質量ともに豊富とみられるエカシに二項目の要請。

 受けたエカシは即座に断り談合は不成立。釧路川下流に集結した勢力が、要請を拒否した相手に争闘を挑む構図。
 なぜ、談合破綻が争闘に。そこに<むすびつく>史実にあてはまる。そう考えられる史料記載を1970年代と90年代に紹介していたことを思い出した。
 その内容はネットでも公開されている。
 https://www.hokkai.or.jp/history/kusiro-mukasi/1-3.html

 『釧路歴史散歩 釧路昔むかし』の「クスリ商場の開設 蜜貿易」の項。
 著者は釧路市史編さん事務局となっているが、担当した拙稿。「飛内 松前」のキーワードでヒットするとは思わなかった。
 詳細は4月7日掲載、『釧路新聞』12面。そこで解き明かす。
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