記録と記憶。ツインズ
撮影中にマタタビを喰らったバカネコみたいに腰砕けになったのは初めての体験だった。ベースが畳の敷いてある場所だったのでうつぶせになりなべちゃんに押してもらい、呼吸が少しラクになった。スポンサーも代理店もいるのにみっともねえなあ、と思いはしたが、満足に歩けなくなっていて焦った。歳のせいかと苦い気分で素材を並べていたら夜になって長岡から電話。いままでダウンしてました、と聞き、心配するより前に、なんだ歳のせいじゃなかったか、とホッとする。風もなく汗ばむこともなく1年中でいちばん気持ちのいいはずの2日間だったけど、何がおれたちを疲労困ぱいにさせたのか。考えてもわからず。ワタナベが丁寧に切り出しておいてくれたeco wars素材をじっくりと味わいながら、あらためてよく1日でこれだけの内容を撮ったものと他人事のように感心。人もこころも、きっと総力戦だったのだ、照れくさくはあるが、そういう解を置いてみると疑問は解ける。底抜けの五月晴れの下、もしかしたら湯治部の切所越えだったのか。愉しいシーンばかりを撮ってはいたが、ひとりひとりにとっての期するものが大だった、そんなふうに思えてならない。

のんびりと愉しみながらプロローグ100秒とエピローグ50秒を切り出す。webにアップし、記録と記憶代わりのブログメモを5つついでに。メモを書いていると、こんどの仕事には「2=対」という記号があちこちに顔を出していることに気づかされた。W発電。2つのラジオラマはもちろんのこと。対立ではなく「対。ツインズ」。このあたり、ちょっとオモシロかった。