2009 02/12 00:06
Category : 日記
よこえから辻の誕生日にふれたメール。おたがいむかしは誕生日のことなど気にもしなかったのに、な。おれも数日前に思い出し、ちよっと感傷的になっていた。あいつの生まれは紀元節というなんとも間抜けなもので、それだけに覚えやすく、あの頃はよくからかいのタネになっていた。南会津の花泉がまだ残っていたので、敬意を表し乾杯。若いときにはいちども祝ってやることもなかったが。ま、苦笑、してるか。夕方の予報から明日のロケ場所終日晴れになった。辻の功徳?気持ちをまとめに切り替える。最初にエピローグをつないでみた。60"。ラストカットは、縁側に用意された月見団子と二枚の座布団。手前ですすきが揺れている。水盤の水面に月光を浴びたいぶし銀のような陶板外壁が映り込み、軒先から落ちた雨粒を受けてあわく揺らめいている。そこにテロップをあてる。
「目を閉じて
ゆっくりと息を吸い
そして、吐き出す。
わたしが
わたしであるための
時間と空間を
満たしてくれる場所…」
と。己とはまったく無縁の世界観だが。
ほんとうは啄木の詩集から引きたかったけど…
「さて、その庭は広くして、
草の繁るにまかせてむ。
夏ともなれば、夏の雨、
おのがじしなる草の葉に
音立てて降るこころよさ。
またその隅に
ひともとの大樹を植ゑて、
白塗の腰掛を根に置かむ……」
辻がいなくなった日の午後。あいつがタバコを吸っていたという
庭のベンチによこえと座り、目の前の大木の落葉を眺めていた。
あしもとであいつが散歩につれて行っていたという
マンガのような犬が横たわっていた。
音を立てて、屋根の上に落ち葉が散っていた。
光のきれいな、しんしんと冷えた晩秋だった。
「目を閉じて
ゆっくりと息を吸い
そして、吐き出す。
わたしが
わたしであるための
時間と空間を
満たしてくれる場所…」
と。己とはまったく無縁の世界観だが。
ほんとうは啄木の詩集から引きたかったけど…
「さて、その庭は広くして、
草の繁るにまかせてむ。
夏ともなれば、夏の雨、
おのがじしなる草の葉に
音立てて降るこころよさ。
またその隅に
ひともとの大樹を植ゑて、
白塗の腰掛を根に置かむ……」
辻がいなくなった日の午後。あいつがタバコを吸っていたという
庭のベンチによこえと座り、目の前の大木の落葉を眺めていた。
あしもとであいつが散歩につれて行っていたという
マンガのような犬が横たわっていた。
音を立てて、屋根の上に落ち葉が散っていた。
光のきれいな、しんしんと冷えた晩秋だった。