2008 10/23 03:18
Category : 日記
http://citrohan.sub.jp/be-eater/archives/000016.htmlから
車一台通れない路地にある。
餃子とアルコオルだけの店、店内に品書の類は一切ない。
高いとも安いとも聞く、旨いとも聞く、妖しいとも聞く、とにかく凄いのよと聞く。
地元古河の、予てから気をそそられていた一軒、餃子「ドミニカ」を訪ねた。
客は私達夫婦だけだった。民芸調の店内は、看板の後のように殺風景で、暗い。
引っ越しの直前、といった雰囲気だ。
店に入るなり「何人前?」と聞かれた。「二人前」。私は面食らったが、夫がさらっと答える。
このやりとりはこの店のセオリーと、人に聞いたのが咄嗟に役に立ったのだ。
「どうも。近所の人に旨いから行ってみなって言われたモンで」ますますナイスな挨拶である。
テーブルには水差しと冷タンふたつ。醤油と酢とラー油。
穴蔵の中みたいに静かだ、と微かに有線放送の音が聴こえる。
チャゲ&飛鳥の古い甘い曲が流れている。緊張して耳を傾けていないと掻き消えてしまいそうな、
静けさとの間の微妙なバランスを保った見事なボリュウム調整。老舗のバーもかくやと感心する。
厨房には業務用の縦型冷蔵庫がひとつ。ガステーブルがひとつ。
ステンレスが厨房の蛍光灯を冷たく反射している。
とうに定年を過ぎたと思われる御夫婦の、だんなさんが使う鉄板とへらのかち合う金属音、
おかみさんがばらばらと広げる新聞の日常音も、響く。
ややあって、餃子が運ばれてきた。
皮は厚めの小さめで、表面はたっぷりの油できっちり焼かれて香ばしい。
中はつるっ、もちっ、の歯ごたえで生地の香りもよく、あんもニンニクが効いてパンチがある。
見栄えのしない盛り付けではあるが、おいしい。
「皮は手作りなんですか?」と聞いてみた。おかみさんの顔は新聞の向こうで見えないが、
即座に「そーです」と、一本調子の答えが返ってきた。
一見で物珍しそうに質問を浴びせる客は、嫌われてもまあ仕方ないのだが、
ここで挫けてはBe-eaterの名折れだから、続けて質問する。
「ここって、何年くらいになるんですか?」
「ハア?」とおかみさんは新聞の壁から首を傾げて、声を高くした。慌てて聞き直す。
「こちらのお店は、何年くらい営業されているんですか?」
おかみさんは、「43年」と、事も無げに言った。
43年!私達は絶句した。御夫婦と街の年齢に応じて43年間変化し続けたと考えれば、
この店のあり方って、ひとつの完成形に限りなく近いのかもしれない、なんて思った。
此処は私達の知る最もミニマムな店と云えそうだ。
餃子を食べ終えた私達は間を置かず店を出た。
わずか15分程の滞席だったが、客は他に入って来なかった。
路地を出たところで振り返ると、闇夜に小さな灯りが浮かんでいた。
「一杯飲むのにいい店だね。今度はそうしよう」と夫が言った。
なんだかふわふわした不思議な心持ちだ。
口にニンニクの香りが残っていなければ夢と思ってしまいそう。
餃子二人前のお値段は、500円。
http://blog.goo.ne.jp/ns3082/e/d821441a95fe6ec8621f6a4b1e384670から引用
7月17日に「うまいギョーザの店がある。」というみゆき氏の引率で古河の「ドミニカ」というお店を訪ねた。
当初同行予定だった奥沢さんが館林まつりに息子が急遽出演するとかで不参加となりました。ギョーザ確定メンバーはみゆきカップル、みゆき氏の友人、石崎さん、私の5人。
この餃子ツアーに至るまでのみゆき氏とのやり取りは以下。
「日記(正月頃)を読み返していたら、みゆきちゃんから“古河にうまいギョーザの店がある。” “その店はギョーザとビールしかない。”“私はいつも必ず6皿は食べる。”という話を1月18日にお聞きしました。あれから半年。お暇なとき連れてってください。」というメールを送ってみた。
すぐに返信があった。
「了解しました。『ドミニカ』ツアーを組みましょう。ちなみにドミニカは店名です。FROM〓薗部。」という返答があり、17日夕に行われる幸手町でのとしえちゃんたち(セレ・シータス)のライブに合わせて実施の運びとなりました。
目指す「ドミニカ」は、古河市内の住宅街の一角にありました。お店はいわゆる「餃子専門店」のイメージとはほど遠く、昔のスナックの建物をそのまま使った感じです。窓が少なく、入った瞬間は薄暗くて、油臭が鼻につきました。店までの道は、何度も細い道を右左折して一方通行もあったりで、覚えられませんでした。しかし、ギョーザは味も形もしっかり覚えてまいりました。焼きギョーザなのですが一度に5〜6人分を焼くのが功を奏してか、表面はカリッと狐色にで香ばしく、中身はふわっとジューシーでこれを熱々でいただくとビールがはかどること請け合いです。5人で15人前は平らげました。一度に焼いたギョーザは写真のようにお皿に丸く並びまるでスペインオムレツといった感じで見た目にもおいしそうです。
http://www.arakawas.sakura.ne.jp/backn007/dominika/dominika.htmlより引用
40年前、この店を借りて餃子屋を始めた時、前にこの建物が「パブ ドミニカ」という水商売の店で、屋号を変えるのに、お役所に届け出を出すのが面倒なので、そのまま、ドミニカの名前をひきついだそうだ。
高知の「エチオピア饅頭」ほど深い意味はないらしい(^_^;)
車一台通れない路地にある。
餃子とアルコオルだけの店、店内に品書の類は一切ない。
高いとも安いとも聞く、旨いとも聞く、妖しいとも聞く、とにかく凄いのよと聞く。
地元古河の、予てから気をそそられていた一軒、餃子「ドミニカ」を訪ねた。
客は私達夫婦だけだった。民芸調の店内は、看板の後のように殺風景で、暗い。
引っ越しの直前、といった雰囲気だ。
店に入るなり「何人前?」と聞かれた。「二人前」。私は面食らったが、夫がさらっと答える。
このやりとりはこの店のセオリーと、人に聞いたのが咄嗟に役に立ったのだ。
「どうも。近所の人に旨いから行ってみなって言われたモンで」ますますナイスな挨拶である。
テーブルには水差しと冷タンふたつ。醤油と酢とラー油。
穴蔵の中みたいに静かだ、と微かに有線放送の音が聴こえる。
チャゲ&飛鳥の古い甘い曲が流れている。緊張して耳を傾けていないと掻き消えてしまいそうな、
静けさとの間の微妙なバランスを保った見事なボリュウム調整。老舗のバーもかくやと感心する。
厨房には業務用の縦型冷蔵庫がひとつ。ガステーブルがひとつ。
ステンレスが厨房の蛍光灯を冷たく反射している。
とうに定年を過ぎたと思われる御夫婦の、だんなさんが使う鉄板とへらのかち合う金属音、
おかみさんがばらばらと広げる新聞の日常音も、響く。
ややあって、餃子が運ばれてきた。
皮は厚めの小さめで、表面はたっぷりの油できっちり焼かれて香ばしい。
中はつるっ、もちっ、の歯ごたえで生地の香りもよく、あんもニンニクが効いてパンチがある。
見栄えのしない盛り付けではあるが、おいしい。
「皮は手作りなんですか?」と聞いてみた。おかみさんの顔は新聞の向こうで見えないが、
即座に「そーです」と、一本調子の答えが返ってきた。
一見で物珍しそうに質問を浴びせる客は、嫌われてもまあ仕方ないのだが、
ここで挫けてはBe-eaterの名折れだから、続けて質問する。
「ここって、何年くらいになるんですか?」
「ハア?」とおかみさんは新聞の壁から首を傾げて、声を高くした。慌てて聞き直す。
「こちらのお店は、何年くらい営業されているんですか?」
おかみさんは、「43年」と、事も無げに言った。
43年!私達は絶句した。御夫婦と街の年齢に応じて43年間変化し続けたと考えれば、
この店のあり方って、ひとつの完成形に限りなく近いのかもしれない、なんて思った。
此処は私達の知る最もミニマムな店と云えそうだ。
餃子を食べ終えた私達は間を置かず店を出た。
わずか15分程の滞席だったが、客は他に入って来なかった。
路地を出たところで振り返ると、闇夜に小さな灯りが浮かんでいた。
「一杯飲むのにいい店だね。今度はそうしよう」と夫が言った。
なんだかふわふわした不思議な心持ちだ。
口にニンニクの香りが残っていなければ夢と思ってしまいそう。
餃子二人前のお値段は、500円。
http://blog.goo.ne.jp/ns3082/e/d821441a95fe6ec8621f6a4b1e384670から引用
7月17日に「うまいギョーザの店がある。」というみゆき氏の引率で古河の「ドミニカ」というお店を訪ねた。
当初同行予定だった奥沢さんが館林まつりに息子が急遽出演するとかで不参加となりました。ギョーザ確定メンバーはみゆきカップル、みゆき氏の友人、石崎さん、私の5人。
この餃子ツアーに至るまでのみゆき氏とのやり取りは以下。
「日記(正月頃)を読み返していたら、みゆきちゃんから“古河にうまいギョーザの店がある。” “その店はギョーザとビールしかない。”“私はいつも必ず6皿は食べる。”という話を1月18日にお聞きしました。あれから半年。お暇なとき連れてってください。」というメールを送ってみた。
すぐに返信があった。
「了解しました。『ドミニカ』ツアーを組みましょう。ちなみにドミニカは店名です。FROM〓薗部。」という返答があり、17日夕に行われる幸手町でのとしえちゃんたち(セレ・シータス)のライブに合わせて実施の運びとなりました。
目指す「ドミニカ」は、古河市内の住宅街の一角にありました。お店はいわゆる「餃子専門店」のイメージとはほど遠く、昔のスナックの建物をそのまま使った感じです。窓が少なく、入った瞬間は薄暗くて、油臭が鼻につきました。店までの道は、何度も細い道を右左折して一方通行もあったりで、覚えられませんでした。しかし、ギョーザは味も形もしっかり覚えてまいりました。焼きギョーザなのですが一度に5〜6人分を焼くのが功を奏してか、表面はカリッと狐色にで香ばしく、中身はふわっとジューシーでこれを熱々でいただくとビールがはかどること請け合いです。5人で15人前は平らげました。一度に焼いたギョーザは写真のようにお皿に丸く並びまるでスペインオムレツといった感じで見た目にもおいしそうです。
http://www.arakawas.sakura.ne.jp/backn007/dominika/dominika.htmlより引用
40年前、この店を借りて餃子屋を始めた時、前にこの建物が「パブ ドミニカ」という水商売の店で、屋号を変えるのに、お役所に届け出を出すのが面倒なので、そのまま、ドミニカの名前をひきついだそうだ。
高知の「エチオピア饅頭」ほど深い意味はないらしい(^_^;)