緋にもみぞれ、と…
ゆっくり起き、茶がゆを食べ奈良駅へ。スターバックスで30分特急を待ち京都へ。チケット売り場前、蓬莱隣のレストランで4日前の夜と同じビーフカレーを腹にいれ、ホームで甘納豆を買い、修学旅行の女子高生集団と同じ列車で帰京した。十三夜の夜に奈良入り。昨日は夕方から実験のあい間にずっと月をながめていた。冴え冴えと怖いような光り方をする十四夜。あんな月光を感じたのは、2001年8月5日夜の舘岩村湯の花の満月以来かも知れない。わずかに欠けている、満ちていく力に満ちた月と、蒼い夜空と夜目にも白い雲と、そして星々。都市明かりの少ない奈良郊外の闇が凄みをさらに加えていたようにも思う。この冬いちばんの冷え込みで足踏みするような寒さより、高まっていく気分が勝っていたようにも思える。このメンバー引き連れて、また風のロケをしてみたい、そんな感傷にひたりながら、夜気で熱を冷まそうとしたが、さめきれず。ホテルに戻りひと晩眠ってもカラダが火照って仕方ない。八方塞がりに追い込まれながら、なぜかくも危機感が欠落しているのか。この昂ぶりをどうやって静めればいいのか。明日は、春日井。緋にもみぞれ、と書いたのは荒川だったか。ふと、断片だけがフラッシュ。己の芯が、まるで見えない。