ゆりかごで眠れ★★★
垣根涼介著/中央公論社

3年ぶりの書き下ろし。期待して読んだ。途中まで、かなり引き込まれた。終盤になるにしたがって、ああ焼き直しだな、と力が抜けた。“ワイルド・ソウル”のブラジルがコロンビアに置き換えられただけ。だけではないか。水増しではなく、端折りすぎ。新宿の出来損ないデカは中途半端だし、おかしな女デカも、ただおかしいだけでリアリティゼロ。“ワイルド・ソウル”後に書かれたものはどれも中途半端なのに、妙に浮かれていた。その荒びが如実に結果になった。つまらないことだが造本も手抜き。だいたいどうして中央公論刊なのか。惜しいな。