キタイ★★★★★
吉来駿作著/幻冬舎刊
第6回ホラーサスペンス大賞受賞作。気持ち悪いのにやめられず。
桐野絶賛、と帯にあるが、同感できる。ただし他人には奨めにくいな。
「人は思い出で生きている」という北上次郎が褒めていた個所が、やはり印象深かった。人を人たらしめる者は何か、と問うてみれば「思い出」という一語は、他に置き換えようもない。なるほどね。シンプルイズベスト。そのあたりが、気持ち悪いのに最後まで読めてしまった理由だろう。