大須賀さんのこと
一月にTSPの地下に降りる階段で
ひさしぶりに大須賀さんと会った。
たまにはなにかやってよ、一朗のことよろしくな、と
あの愛嬌のある顔で肩を叩かれた。
ぜひ、と答えながら杖がわりになって下まで降りた。
ふりかえれば、17年のつきあい。
12月の凍てつくようなニューヨークで
泥棒のようにマフラーを頭からかぶり
ロケに付き合ってくれたことなど思いだしています。
ヨーロッパから日本に送った収録素材が行方不明になって
代理店のプロデューサーが泣いた夜のこと。