最悪。
にもかかわらず日ざしは春。いちばんの問題は、共感すべきことが見当たらないこと。江戸時代のバカ旦那とその取り巻きと丸二昼夜蕩尽した気がする。切り捨てておいて、使うのもどうかとは思うが、あれほどあしざまに吐き捨てるほどの愚をSがしでかしたとは思えず。ごくろうさまでした以外に声のかけようもないと思うが。Sは、しかしよく耐えていた。それにしてもあれだけ機微のわからぬ男も珍しい。二度も呼び立てたIにもすまないことをした。沽券があるなら、退かせてやりたい。おれには、ないが。くそする元気も残っていない。