恋と詩と革命の超大作ロマン
という帯が目に飛び込んだ。矢作俊彦の新作。文芸春秋刊。タイトルは「悲劇週間」。表紙はモネの「日傘の女」。
ページをめくると一ページ目の第一行は

 明治四十五年、ぼくは二十歳だった。
 それがいったいどのような年であったか誰にも語らせまい。

奥付の発行年月は2005年12月15日。

ま、買うしかないよな。矢作で恋で詩で革命だもの。
レジで支払い3軒となりのピュアへ。
髪を切ってもらっている間に20ページほどじっくりと楽しむ。
気持ちのいい文体に、呼吸がラクになり、いつのまにか一時間ほど寝込んでしまっていた。疲れているんですね、とやさしいコトバをかけられながら気持ちよく目覚めた。どこかで今年のキリがついたと、カラダの方がさきに納得してしまっていたようだ。年が暮れるなあ、と粋筋の年増の師走噺を遠くに聴きながら、また30分ほど寝込んだ。長い付き合いなので、そんなときに放っておいてくれるのがうれしい。首と肩を念入りにマッサージしてもらい外に。忘年会帰りのサラリーマンが黒い塊になって群れていた。収容所のワンシーンのように感じた。