背中から
斬りつけられた傷はなんというのだろうか。
汐留も築地も、ほんとうに根っからの陰謀好きだ。
つくづく愛想が尽きる。
顔の向こう傷ならスカーフェイス。
一ヶ月以上にわたってなぶり殺していくようなえげつなさに
いまさらではあるが唾を吐いておきたい。
ゲームの真っ最中の出来事だった。
十四日の一日前。
Sの声は沈んで、重く、逆らう気力のカケラすら無かった。
力が足りなくて悪かった、と伝える以外にコトバなし。
身から出た…とはいえ
なにもこの冬いちばんの冷え込みの夜に
首切ることもなかろうが。
魚河岸の次は酒屋だそうである。
汐留の無芸、極まれり。
田舎者は、やることが泥臭い。

こっちも潮時というほかなし。
あんな輩と12年、つるんできたのかと思えば
おれも同罪。

それなしても汐留は
はしごを外したり
背中から斬りつけるなんて
姑息なことばかりが得意だ。

あきずに
ほんとうによくやるよ。
男の屑を広告屋というのだろう。

おれもまた、広告屋。
女衒、ぽん引きの連れで、ある。

笑うしかあるめえ。