「悲しき恋歌」十話まで★★★★★
九段時代の友人からメールが届いた。M.S。ほとんど公開していないようなブログでも、こんなことがあるのだな。ちかいうちに会うことに。
月花房でひさしぶりに花を買う。パンドラのアリババも。silentnightを眺めながら、このカナダの町にいつか行ってみたいと思った。
甦っていく想いと、どうしようもなく醒めていく想いと二つあり。醒めるべくしてさめていく。そして甦るべくしてよみがえる。あのとき並べられた料理を前に爆発しそうになったおれを止めたものは涙だった。ワタシノタメニオコラナイデ。と切れ切れに吐かれた短いコトバと大粒の涙が、おれをとどめた。見失いかけていた。そういう想いが唐突にわいた。泣き疲れて眠り込んだその足をあたためながら窓の外の暗さを眺め揺られているうちに、4年間がフラッシュしていった。
「悲しき恋歌」を十話まで。傑作だ、と思う。映像のギミックに流されることなく、なんのてらいもとまどいも無しに、真っ直ぐにつくられている陳腐なラブストーリーを観ながら、ひどく感動していた。
それにしても、見切り時だとつくづく。あっちもこっちも、話を聞くたびに汚泥のようなものが繰り返し胸を満たす。憂さをはらそうにも捨て場がない。一期が夢なら、あんな時間はくそにすらならない。狂いようもない。電話で調子のいい弁明を聞きながら、ため息がとまらなかった。広告は女衒のなりわいである。いまさらだが。な。