ここがロードスだ。ここで跳べ。
件名: [japanesque:00202] ここがロードスだ。ここで跳べ。
送信日時: 2005年 6月 22日 水曜日 4:12 PM
差出人: Toru Mashiko
宛先:東京星菫派


もう15年近く前になりますが
日本コロンビアの仕事で「天然の日本シリーズ」全4巻を出したことがあります。
東京星菫派=湯治部の原点であり、立脚点となった仕事です。
4年前の盛夏八月五日に市販される前のHD-900のテストを兼ね
南会津の舘岩村で漆黒の山里を照らし出す超満月を撮ったその瞬間から、
いつか「天然の日本」をDigitalHDで破壊・再生させてみたいと
恋い焦がれるようになりました。
それから4年。
なんどもdigital_Japanesqueをスタートするぞと声かけながら
掛け声倒れのような日々が続きましたが、
この一年、Pioneerの「neo花鳥風月」を皮切りに
夢工場の330inchHDに取り組むことで、
おぼろげなカタチだったものが像を結びはじめたように思います。
12年ぶりの美瑛へのこだわりは、その“像”のひとつです。
この一年で突破口は開けたとみなせるなら、
これから以後はすべて、展開戦。
夢テアトルと名付けられた330inchのHDシアターに最初に流された
いまでは幻の13分版「ある秋のクリスマス」こそが、
我らがロードス島だった。はず。
成るか成らぬかは、どうでもいい。おれは、やろう、と決めました。

だから、美瑛には行きましょう。
雨だって、いいじゃん。
雨もまた、天然の日本である。
我が人生を潤すものである。

東京星菫派webページのトップに去年の2月29日に書いた案内を
もういちど引用しておきます。これがdigital_Japanesqueの
コンセプトでありスローガンであり旗印であり志でります。


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東京星菫派敬白。2004.2.29


ある日
ふと手を止めて空を見あげる

真っ青な空に白い雲が浮かんでいる
雲は姿を変えながら
連なる山のかなたへと流れている
足もとには たんぽぽの綿帽子がそよいでいる
さわりと風が吹くと
綿帽子は身をよじり
ふわりと真っ青な空に旅立つ

たとえば それがすべてのはじまりだ

飢えを満たし 日々を潤すためだけにある
幾千もの夜と幾万もの昼の
果てしない繰り返しの どこかである日
人はふと空を見上げて想うことになる

もしかしたらどこかに
はるかかなたの異境の地に
異なる時間の流れる場所に
いまあるすべてのこと以外にも
心踊らせ浮き立つような 何かがあるかもしれない…

そして人はある日
かりたてられる想いにその身をあずけ
はるかかなたへの一歩を踏みだす

ここではないどこかへ、と。

[何も願わず何も語らず我と我が貧しき夢と君のほかには]
福島泰樹のこの歌の世界を
この世の風と光と空気と水が織りなすアラベスクとして
さみしさを抱え込んだり
切なさに涙ぐんでいる人を慰謝できたら…
元気と勇気の素のひとかけらとなれたら…

すこし照れるが、それが東京星菫派の願いである。

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