冬の深夜、窓を開けて外の景色を見たことがあるだろうか。
浅倉卓弥の新作“雪の夜話”は
こんな一行で書き始められている。
昨夜はほとんど眠っていないので
猛烈に眠く、こんな書き出しだと
睡眠不足になりそうなので
明日以降にまわすことにする。

ぼんやりとした夢のような日ざしの昼だったが
打合せを終わって外に出たらビル風で凍えた。
新宿は、鬼門のように冬寒く、夏は暑いな、おれには。

Iのことを耳にした。
峠を越えて、大部屋に移れたらしい。
胸のつかえがおりた。