恵の本の穴子重は、んまかった
薄暮の空に一番星。川崎大師は5時で閉まっていた。
仲見世で開いていた店で飴を買いしゃぶりながら本堂前に。
閉まってはいたが強引に参る。
書きかけの一枚。東山のエピローグのプリントアウトを八つ折りにし
賽銭と一緒に小さな穴から投じた。

ふり返って空を見上げると夜空に白い雲とオリオン星座。

参道沿いの飯屋を二軒のぞくが今夜は寒いから早仕舞いと断られる。
三軒目がOKだった。
江戸前料理屋「恵の本」。
お茶をもらい、オススメの穴子重を注文。
こいつがまことにうまかった。
話し好きの女将の講釈を三十分ほど聞きながら
冷えきったカラダを温める。
創業三百四十年という老舗の女将の話しぶりは底抜けで
あれもこれも面白かった。

Jがらみの鬱陶しさに、入れ込みすぎたか行方がみえなくなりつつあった東山案件が重なって
今日は予定していた原稿書きがまったく頓挫していたので
夕暮れからの二時間の遊山が
なんともいい気散じとなった。

寺社仏閣はほんらいこういう接しようが適っているのではないか。

土産に買ってきた葛餅をほお張りながら、今夜は満足である。

2004年の初詣で、これにて落着。