横浜で魁夷体験
Hさんへ04.01.17

昨16日、横浜美術館で「東山魁夷展-ひとすじの道-」の前期展示分を観てきました。
「残照」「光昏」は2月6日からの後期展示からとなり、見逃しましたが
「月宵」「「郷愁」「道」「樹根」「松庭」
「青響」「暮潮」「たにま」「月菫」「冬華」「花明り」
「春兆」「緑映」「秋風行画巻」をはじめ唐招提寺御影堂関係のものなど
じっくり見ることができました。

「青響」の強さが予想をはるかに越えていて、ちょっとショックだったこと
じつはまだ本物を見ていなかった御影堂の仕事を見ることができたこと
思いがけないこの二つの出来事で帰ってから軽く熱が出たほどです。

資料を読み進めながらも感じたことですが
はじめてとも言える東山魁夷体験で
自分がいかにモノを知らずに知ろうとせずに過ごしていたのか
しみじみと途方に暮れています。

仕事だから
あるいはこういう時間と出会えたのかもしれませんが
とてもドキドキしたぞくぞくした気持ちを味わいながら
窓の外の初雪を眺めています。

ちょっと感想をお伝えしたくて。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++
●東山魁夷展。横浜美術館
http://www.discoking.net/museumhtml/HTML2/index.html
概 要
 本展は、1999(平成11)年に逝去した日本画家、東山魁夷(ひがしやま・かいい)の没後はじめての総合的な回顧展です。
 東山魁夷は、1908(明治41)年に横浜で生まれました。東京美術学校日本画科で結城素明に師事。1933(昭和8)年から2年間ベルリンに留学し、美術史を学びました。
 戦時中の苦難を経て、1947(昭和22)年の日展出品作《残照》が特選となります。その後数々の名作を発表。やがて皇居宮殿の壁画や唐招提寺御影堂の障壁画など大事業を手がけました。1956(昭和31)年には日本芸術院賞受賞、1969(昭和44)年には文化勲章を受章しています。
 東山魁夷の生涯は、代表作《道》に象徴されるように、自らの脚で一歩一歩踏みしめ続けた、決して平坦ではない旅路であったといえます。20世紀を踏破した日本画家は、伝統と現代、和と洋、和と漢、あるいは南と北の精神風土の違いなど、時間・空間上の対極を常に見据えていました。魁夷の芸術の魅力は、そうした思索に裏付けられつつ、画家自身の内面の静と動、明暗両極の緊張から、精妙に紡ぎ出した調和の美を、自然の姿や古都の街並みに託すことからくるといえるでしょう。親しみやすい清澄な風景に展開される世界は、画家が私たちに直接伝えようとする心の物語なのです。
 この展覧会では、戦前の大作《凪》、戦後の《残照》、《道》をはじめ、北欧・ドイツ・オーストリアへの旅の成果、「京洛四季」の名作の数々、唐招提寺御影堂障壁画などを含む総数90点あまりを2期に分けて展示します。2月4日までの前期に約60点を展示し、2月6日以降の後期に約30点を入れ替えてご覧いただきます。

会 期
  2004年(平成16)1月5日(月)〜 2月24日(火)
    前期:1月5日(月)〜 2月4日(水)
    後期:2月6日(金)〜 2月24日(火)
    ※ 前期の展示作品約60点の内、約30点を後期で入れ替えます。

  休館日 :毎週木曜日
  開館時間:10:00〜18:00、金曜日は 20:00 まで開館(入館は閉館の30分前まで)

会 場
  横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1 TEL.045-221-0300)