《ワイルド・ソウル》★★★★★
垣根涼介著/幻冬舎刊

《ヒート アイランド》の垣根、大化け。
大ブレークである。
森巣の《非国民》といい、垣根の《ワイルド・ソウル》ととい
日本の小説が、こんな世界観を持つことになったことが
信じられない。

この夏、もっともスリリングかつパワフルな一冊だった。
垣根が書き下ろしに賭けた心意気がまっすぐに表現されている。
志の高さに溜飲がさがる。


何年前だったか、大場さんの仕事でJICAのPR映画のコンペに負けたことがある。
負けていて良かったと、しみじみ思った。
こんなときに、広告屋はつくづく屑なのだなと痛感する。
自分がその構成員の一人であることにため息が出る。
いまさらではあるが。な。

胸のすく、晴れ晴れとした思いにさせられる一冊と出会った。