ロングラブレター/漂流教室全話★
楳図の《漂流教室》の設定を小学校から高校に変え、おきまりの環境汚染のオブラートでくるんでみたところで、限界は越えられず。
窪塚の演技だけが空回りして哀しい。

シナリオもどうかと思うが、演出、キャメラワーク、編集…どこにも救いなし。

全巻通して見たのは、ただ一点、
あの楳図の名作がどこまでカタチにできるのかという興味。

楳図かずおは子供の愛を描かせると、比類ないパワーを発揮する。
《私は真吾》がその極北である。
あのレベルの究極の愛をこの国の表現者はまだ描く水準にたっせないでいる。

マンガを超えられない。
それがこの国の現在。

と、ふりかぶるほどのことでもねえか。