大型台風の前に濡れ鼠となった。
つまらない電話でやる気が消えた。

田舎者と言ってしまえばそれだけのことだが。
しかしこの果てしない温度差がどこから来るのか。
顔突き合わせて了解しあったことを
どうしてコロッと手のひらかえせるのか。
サラリーマンだからか。
奴隷だからか。

名刺の厚さ程度のプライドにしがみついて
なんでこいつらは毎日毎日朝目を覚ませるのか。

受話器をほうり投げたのはひさしぶりのことだ。
目の前にいたら、頭をかち割っていただろう。

本気で外すことを考えた。
しりぬぐいをするほど愛らしいケツでなし。
もういいかな。
俺がやめるか。あっちを引きずり下ろすか。
そういう所に来たのかもしれない。

サッポロと築地。
どこに違いがあるのか。

この苛立ちのまま麹町に向かうことになる。
間の悪いヤツは、いつもこんなタイミングで
つまらねえくだらねえ連絡を寄越す。
それも陰に隠れてだ。