萬月の《皆月》★★★★★
しかし、花村萬月がこんなにいい作家だと
どうして感じなかったのか。
今さらながら口惜しい。

《皆月》。
これはまさしく大宰。

深く、哀しく、凛々しく、おかしい。

読み出したら止まらず。
結局、夕方まで寝てしまった。
起き出して、反芻しながら飯を食う。

シャワーを浴びてなんとかオフィスに。
渡辺は福島さんのお宅に、
この間のライブの記録テープと
12年前の「絶叫20周年/浅草公会堂」をDVDに焼いたものなどを持って行った。

さっき福島さんから電話。
酒の弱い渡辺相手に居酒屋から喫茶店にまわってくれたらしい。
お元気そうな声だった。
自分が福島さんと電話で笑い声を上げながら
会話を交わしているということが
どうもピンと来なくてまいった。
ファン心理というのは、かくなるものか。

台本をさっと書いてしまおうと考えたが
福島さんの声を聴いたり
ドットマックのアプリをインストールしたりしているうちに
3時間が過ぎた。

これから戻りますと渡辺が電話してきたので
帰りに健寿司の折り詰めを頼んだ。

内原さんからビデオと報告書が送られてきた。
あんな照明デザイナーと知己を得ただけでも、
未来博の意味はあった。

このところ、いろいろなベクトルが
まとまってうねり出した…
そんな思いあり。