夜会・森の記憶と十七夜の月光
「樹間を吹き抜ける風がある。
  記憶の底よりよみがえるものがある」

東京オペラシティの[近江楽堂]。
菊池雅志さんの《森の記憶》と題したコンサートに行く。
近江楽堂の客席に腰を下ろし天井を見上げたら木組みの間に薄暮の空が見えた。
夏の藍。
近江楽堂はこぶりだが、コンサートホール同様に木の反響がいい。
笛と尺八のソロという地味なコンサートにもかかわらず、満席。
福島泰樹さんも来ていたので挨拶。
後で渡辺から聞いたら、パワーブックG4を使っているけど、まだネットのつなぎ方がわからん、と笑っていたとか。
DVDもまだ使ったことがないらしい。

この間、曼荼羅で会ったときに
短歌絶叫の映像をDVDにしたいな、と言っていたけど、
どうやって見るつもりだったのか。

三十一文字。
字数考えれば、電源入れて起動している間に、筆でさらさらと書いちゃえばいいのに…
と想像し、とてもおかしかった。

東京オペラシティは湯浅譲二さん、タン・ドンと隣のコンサートホールで聞いたが
木の香りが匂うようでなんとなく気に入っている。

帰りがけに昇りかけた巨大な月が見えた。
十七夜。

菊地さんはアンコールで月光をイメージした曲を吹いた。
そういう夜だった。

四日続けて首都は月の光に満ちている。