ざらつき
9時間、夢も見ずに眠った。
カラダが海の底にいるようにダルい。
怒りは消えていたが、
ほかのものもいっしょに消えた。
冷え冷えとした感覚がつま先まで満たしている。
《仕事》というのは、こういうものかも知れないな。

熱いシャワーを浴びても
覚めるのは両目だけ。体の芯は殻を閉じたまま。

啖呵を切ればよかったのか。
殴ればよかったのか。
うつむいて背を向ければよかったのか。

これから六本木。
地下のスタジオで長い編集が始まる。

osXはふつうに使っているとアクティブなウィンドウだけが見える。
他は見えない。
今日は、これがうらやましくてならない。