初夏と晩春。
東北道、那須を過ぎたあたりから晩春の趣に。
遅咲きの桜が風に散って舞っていく。
福島で降りると料金所脇の公園で八重桜が満開。
市内はすっかり新緑の街になっている。

ろう学校で忍くんに会い、
その後、福島テレビに村上さんを訪ねる。
村上さんと連れ立って県庁に。
高荒さんの部屋に。
松崎さんも合流し、忍くんの絵のことなど歓談。

同窓会のようなひとときを過ごした。

市内のあちこちで紅白のハナミズキが咲いていた。

帰りに、千住で降りて満腹餃子館に寄った。
中国から仕入れてきたばかりというウーロン茶「自然美人」を飲む。
上品な味に疲れが溶けた。

それから蒲田へ。
安藤さんから長い手紙が届いていた。
読みながら涙がにじんだ。
河北新報に連載しているコラムの切り抜きも数点。
透明感と的確さを合わせ持ったふしぎな文体を読みながら、こわばりが溶けた。

菊地正志さんからは福島泰樹さんの短歌絶叫コンサート案内が転送されていた。

あれもこれも
さあ、動き出せ、
そんなふうに風が告げていると思いたくなる一日だった。

朝九時に東京を出発し、福島に。
昼飯抜きで忍くん、村上さん、高荒さん、松崎さんたちにお目にかかり、
夜の九時過ぎに千住で昼飯代わりの水餃子にありつくという、
ハードな一日だったが、
胸のつかえがすべて溶けていく、
佳き日でもあった。

まだ明るさの残っている空に、白い月が昇っていた。