《キャピタルダンス》井上尚登は★★★
《キャピタルダンス》井上尚登著/角川書店刊

夕4時30分。目覚めたのが午後2時。ゆっくり朝昼飯をとり、新聞をのんびり読んで、クナイプのユーカリを溶かし、読みかけの「キャピタルダンス」とタバコと灰皿を持ち込んで一時間風呂で過ごした。読了。
オープンリソースの分散型コンピュータシステムをユートピアのコアにするその着想は面白かったが、力量不足なのか角川の編集担当のセンスの悪さか、たぶんその両方なのだろうが、突っ込み不足。
世界標準の可能性を秘めた検索エンジンシステムの何がどう群を抜いているのかについても、テーマ倒れで実感が薄い。
全体に良くできたシノプシスにとどまっている。
380ページ一段組の小説だが、この5倍は必要なのだ。書くものの体力と、書かせ続けるものの文字通りキャピタルゲインと、加えて読み楽しむ側の体力の不足が、少し哀しい。
キャピタルダンス…
このキッチュなタイトルにたどり着けたのにも関わらず、ここどまり、となることが、ま、いかにもニッポン
だが。

これからオフィス。
台本第二稿を今夜中に仕上げ、明日はいわきのアクアマリンだ。