《昼顔の朝》《夜霧のブルース》《しのび逢い》
レンダリング待ち。


山岡君がデザインした見出し、エンドクレジットを見ながら、この半年を思い浮かべていた。
六月二十四日の夜に、むじなの森の近くのおとぎ話の宿に向かう途中の空に浮かんだ鎌のように細い月を見てからのことを振り返る。
開幕直前の十三夜。
八月五日、湯の花でとらえた月の出と超満月。
閉幕式前夜に湖の前で眺めた十三夜。
解団式の深夜、東北道をひた走りながら見上げた中秋の満月。
そしてイブの夜に福島で見た雪夜の月。
夏から冬にかけて月ばかり眺めて暮らした感がある。

そんな年の記憶としてではなく
山岡の仕事によって
さらにその先へと向かう力が加わったのではないか。

vol4は、記録としてのツールではない。
この先へと踏み足すための、覚悟である。

映像の仕事に関わって、
はじめて自分の行きたい道を明らかにできた、
今夜はそんな気がする。

夏の初めに繰り返し聴いた宇崎竜童の
《昼顔の朝》
《夜霧のブルース》
《しのび逢い》
3曲をリピートしながら、極上の待ち時間を愉しんでいる。