2001 12/30 05:19
Category : 日記
雪祭り前夜
at 2001 02/04 17:25
午後五時。舘岩村湯の花温泉、末廣旅館二階竹の間にて。
一時半に那須塩原駅で渡辺君にビックアップしてもらい、塩原経由で峠越え。
このあいだ知った田島のトンネル手前の横川というそば屋に寄って「田舎けんちん定食」にありつく。やっぱりんまいっ。群を抜くうまさである。辛味大根の冷たいつけ汁と熱々のけんちん汁に交互にひんやりした手打ちさばをくぐらせて食べるこの方法は特許モノだな。
ついでに蕎麦粉でつくった薩摩揚げというのをやいてもらったら、これもまたうまいっ。めんどうがる女主人を説得して東京に送ってもらうことにした。
水のうまさ、空気の凛々しさがきっとこの味をつくるのだ。東京のふやけきった空気の下で繰り広げる蕎麦の名人ごっこは、しょせん絵空事である。こういうものを体験すると、また、もういちど料理の仕事にとりくんでみようか、という気にさせられる。
現場ではスタッフたちが勢ぞろい。
明日からに備えてオープンセットが着々と完成しつつある。雪の状態も昨年に比べれば圧倒するばかりである。
宿にはいり、さっそく風呂に。
あがって涼んでいたら二番風呂で飛び込んできた男を見て驚いた。
スバルのレガシーロケの頃に一緒だったキノコ好きの照明マン井上君だった。
世間は狭い。
いつもの竹の間に座り、窓を開け放し、雪の村の夕景色を眺めながら体を冷ましていると、「帰ってきたな」そんなふうに思えた。
空はまだ明るさが残っている。
会津は静かな夕焼けである。
明日から、我が祭りがスタートする。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
春宵値千金
at 2001 02/26 03:04
湯治部御中
湯治部初のフルデジタルHD作品第一号、
まず編集アップしました。
PRビデオとしては、金字塔モノになるでしょう。
諸君、喜べ。
デジタルHDは凄いぞ!
湯治部のみなさんは凄いぞ!
本編集したものを持ち帰り
家に帰って繰り返し見ながら
ぼくは感激して泣いたよ。
夜中に台所で渋茶をいれて、ひとり乾杯したよ。
やさしくやわらかく美しさに満ちた
いますぐ全員集合させて見せてやりたいくらいの
良い仕事になった。
桃の節句過ぎには
相馬プロデューサーからプリントが届くはず。
あられ食いながら白酒片手に、酔ってください。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
無断転載
at 2001 02/26 15:15 編集
From: Shinji Yamaoka
To:
Subject: [tojibu:00114] Re: 春。
Date: Mon 26 Feb 2001 03:28:03 +0900
お疲れ様です。
山岡です。
大満足・・・
わたしも大・大・大満足!
エンディングの「月」のカットを忍ばせてる時、
僕はひそかに感動してたんです。
全篇に「魂」を入れましたよ。
こんな経験は、久しぶりです。素晴らしい。
何度か「もう死んでもいいかな」と思う事があるけれど、
今日もそんなことを感じた。
もう、充分です。
これ以上何があるのでしょうか?
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
転載
at 2001 02/26 15:17
To: tojibu@c3.easyml.com
From: 益子透
Subject: [tojibu:00115] 山岡君へ
細胞は誕生と死を連続していく。
ぼくのこの一瞬をスチールして超拡大してのぞけば
猛烈な勢いで死滅していくぼく自身と、
猛烈な勢いで生まれ落ちていく細胞があるはず。
46億年前に太陽系の小さなエリアで起きた奇跡中の奇跡が
この宇宙の塵でできた変哲もない岩石の惑星に
生命のはじまりをつくった。
原始の海で、あてもなくさまよい続ける
何の意味もないただひとひらのミトコンドリア。
ぼくもきみも、この無意味なそれでいて素晴らしい奇跡の
その涯にいる。
きみの才能は、
そういうことのいちばんとんがったエッジにある。
エネルギーも才能も蕩尽したあとは空っぽになる。
回復の方法はただひとつ。休息すること。
泥のように眠り、食べたいものだけを食い、
いままででいちばん好きだったコトやモノを再体験すること。
君が海が好きなら海へ。
山を愛すなら山へ、一日でも一月でも半年でも
疲れたカラダと心をいたわってやること。
そうして給油されていく、満たされていく
エネルギーをぼんやりと見守ってやること。
ほほ笑みがもどって、力がみなぎるまで
そういう時間を自分自身に与えてやること。
きみの仕事への向かい方は
白刃の真剣を握ってひとり真っ向勝負を挑んでいるような
ところがあり、それは好ましいと同時に、
はらはらさせられる危うさを感じさせるものでもあります。
しかし、きみはたぶん、そういう方法以外に
自分を納得させられないのだとも思う。
そういう構えが、きみのきみらしい色使いやリズム、デザインを
つくっているのだと思います。
つまりそれが「山岡ブランド」なんだな。
そんなふうに感じています。
プライベートなことではあるけど
メーリングのやりとりに載ったことでもあるので
あえてここに書きました。
at 2001 02/04 17:25
午後五時。舘岩村湯の花温泉、末廣旅館二階竹の間にて。
一時半に那須塩原駅で渡辺君にビックアップしてもらい、塩原経由で峠越え。
このあいだ知った田島のトンネル手前の横川というそば屋に寄って「田舎けんちん定食」にありつく。やっぱりんまいっ。群を抜くうまさである。辛味大根の冷たいつけ汁と熱々のけんちん汁に交互にひんやりした手打ちさばをくぐらせて食べるこの方法は特許モノだな。
ついでに蕎麦粉でつくった薩摩揚げというのをやいてもらったら、これもまたうまいっ。めんどうがる女主人を説得して東京に送ってもらうことにした。
水のうまさ、空気の凛々しさがきっとこの味をつくるのだ。東京のふやけきった空気の下で繰り広げる蕎麦の名人ごっこは、しょせん絵空事である。こういうものを体験すると、また、もういちど料理の仕事にとりくんでみようか、という気にさせられる。
現場ではスタッフたちが勢ぞろい。
明日からに備えてオープンセットが着々と完成しつつある。雪の状態も昨年に比べれば圧倒するばかりである。
宿にはいり、さっそく風呂に。
あがって涼んでいたら二番風呂で飛び込んできた男を見て驚いた。
スバルのレガシーロケの頃に一緒だったキノコ好きの照明マン井上君だった。
世間は狭い。
いつもの竹の間に座り、窓を開け放し、雪の村の夕景色を眺めながら体を冷ましていると、「帰ってきたな」そんなふうに思えた。
空はまだ明るさが残っている。
会津は静かな夕焼けである。
明日から、我が祭りがスタートする。
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春宵値千金
at 2001 02/26 03:04
湯治部御中
湯治部初のフルデジタルHD作品第一号、
まず編集アップしました。
PRビデオとしては、金字塔モノになるでしょう。
諸君、喜べ。
デジタルHDは凄いぞ!
湯治部のみなさんは凄いぞ!
本編集したものを持ち帰り
家に帰って繰り返し見ながら
ぼくは感激して泣いたよ。
夜中に台所で渋茶をいれて、ひとり乾杯したよ。
やさしくやわらかく美しさに満ちた
いますぐ全員集合させて見せてやりたいくらいの
良い仕事になった。
桃の節句過ぎには
相馬プロデューサーからプリントが届くはず。
あられ食いながら白酒片手に、酔ってください。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
無断転載
at 2001 02/26 15:15 編集
From: Shinji Yamaoka
To:
Subject: [tojibu:00114] Re: 春。
Date: Mon 26 Feb 2001 03:28:03 +0900
お疲れ様です。
山岡です。
大満足・・・
わたしも大・大・大満足!
エンディングの「月」のカットを忍ばせてる時、
僕はひそかに感動してたんです。
全篇に「魂」を入れましたよ。
こんな経験は、久しぶりです。素晴らしい。
何度か「もう死んでもいいかな」と思う事があるけれど、
今日もそんなことを感じた。
もう、充分です。
これ以上何があるのでしょうか?
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
転載
at 2001 02/26 15:17
To: tojibu@c3.easyml.com
From: 益子透
Subject: [tojibu:00115] 山岡君へ
細胞は誕生と死を連続していく。
ぼくのこの一瞬をスチールして超拡大してのぞけば
猛烈な勢いで死滅していくぼく自身と、
猛烈な勢いで生まれ落ちていく細胞があるはず。
46億年前に太陽系の小さなエリアで起きた奇跡中の奇跡が
この宇宙の塵でできた変哲もない岩石の惑星に
生命のはじまりをつくった。
原始の海で、あてもなくさまよい続ける
何の意味もないただひとひらのミトコンドリア。
ぼくもきみも、この無意味なそれでいて素晴らしい奇跡の
その涯にいる。
きみの才能は、
そういうことのいちばんとんがったエッジにある。
エネルギーも才能も蕩尽したあとは空っぽになる。
回復の方法はただひとつ。休息すること。
泥のように眠り、食べたいものだけを食い、
いままででいちばん好きだったコトやモノを再体験すること。
君が海が好きなら海へ。
山を愛すなら山へ、一日でも一月でも半年でも
疲れたカラダと心をいたわってやること。
そうして給油されていく、満たされていく
エネルギーをぼんやりと見守ってやること。
ほほ笑みがもどって、力がみなぎるまで
そういう時間を自分自身に与えてやること。
きみの仕事への向かい方は
白刃の真剣を握ってひとり真っ向勝負を挑んでいるような
ところがあり、それは好ましいと同時に、
はらはらさせられる危うさを感じさせるものでもあります。
しかし、きみはたぶん、そういう方法以外に
自分を納得させられないのだとも思う。
そういう構えが、きみのきみらしい色使いやリズム、デザインを
つくっているのだと思います。
つまりそれが「山岡ブランド」なんだな。
そんなふうに感じています。
プライベートなことではあるけど
メーリングのやりとりに載ったことでもあるので
あえてここに書きました。