赤穂浪士とガーベラとぽち
帰宅、午前5時。
麻布警察の隣の立ち食いそば屋で久しぶりに夜食。かき揚げ+ちくわ天+コロッケそば。
一滴のアルコールも入らずに深夜の3時過ぎにひげ面の男二人がすする立ち食いそばにどんな風情があるのか知らぬが、うまかった。
編集の帰りに寄ったことはあるが、さすがにMAの後で深夜にそばを食べたのははじめてのこと。
3時過ぎても金曜の夜は忘年会流れの笑顔であふれていた。夕方から、地下にこもってわき目もふらずに仕事していたことが嘘のようだった。

泉岳寺への参詣は忘れたが、赤穂浪士討ち入りの日の仕上げは、身の入ったなかなかの出来となった。コンセプトをまっすぐに開いた、過不足のない仕上がりになったと思う。

朝倉さんのイラスト、空間概念図とHD素材とを、それぞれが分離することなく、高い説得力とたのしい気分を維持しながら、マキシオというひとつの世界にまとめることができた。

映像デザインの山岡さん、音響構成の井口さん、ミキシングの武田さんが気持ち良くセッションしているのを、おれは一人の幸福な観客として愉しんでいればいい、というまことに申し訳ないほどに、楽な仕事だった。

ナレーションを担当した山下亜美さん、外崎明彦さんもいつになく気持ちのいい仕事をしてくれた。

いきなり声の出演を強いられた代理店のお二人も、クライアントのお二人も、素人ならではの味わいをよく発揮してくれた。

二人の小学生と高校生も遅くまで待たされたにも関わらずしっかり仕事してくれた。

もちろん電通テックの夏苅さんの徹底した進行ぶりがなければ、すべては滞ってばかりだったはず。顔色を読みながら仕事を進める制作部にお目にかかったのはキャットの錦織以来のこと。夏苅はいい女になるだろう。いやすぐれたPMになるだろう。

中山のバックアップぶりもみごとだった。
このスタイルであと2本か3本こなせれば、初々しさを備えたいい制作チームができると思う。

記憶に強く残ったもの。
ガーベラとぽち。

初心貫徹、できたじゃねえか。

満足である。