[the-earth:00502] 再見
ひと夏の感傷の記録として転載
+++++++++++++++++++++++++++++++



Date: Wed 03 Oct 2001 05:48:39 +0900
Subject: [the-earth:00502] 再見


益子です。


30日の夜、雨が降りしきる集いの湖に小松明の炎が揺れ、
その向こうに青いジ・アースの姿が見えたとき、
体の底のほうから震えるような想いが湧いてきました。


青い幻のようなジ・アースに浮かんだ
「さようなら」の五つの文字を見たときはさすがに
胸が詰まったよ。


7月6日まで、帰りそびれて居座り続けた夜、
むじなの森からホテルに戻るときに、よく
宇崎の「夜霧ブルース」をバカみたいなボリュームで
かけていたことを想いだします。
「青い夜霧に灯影が紅い」ではじまる古い歌です。
アナクロだとからかわれたので最近は聴かなかったけど
30日の夜に三ヶ月ぶりに甦りました。


気がつくと、自分の映像より、いつのまにかぼくは
あのジ・アースそのものを愛していたのだと思う。
とりわけ夜のジ・アースのたたずまいを。


みなさんが帰られてから、
湖の上のステージにはじめて立ってみた。
そしてジ・アースに向かって手を合わせました。
信仰がないのででたらめな拝礼だったけど。
水面に映った青い影、
雨に濡れたボードウオークに移った青い影が
風に揺れて泣きたくなるような美しさだったよ。
人影のない会場で、ジ・アースは想像上の神殿のように
ひっそりとあざやかにそびえ立っていた。


カタチのあるものはいつかは滅びる。
まして86日という会期の定められたものだから
ひきずることはないのだと思う。
そうはわかっていながら、なんだよね。
終りがあるから美しいというのは、嘘だな、と思った。
できることなら終わらないでほしかったよ。
あのままいつまでもそのままでいてくれねえかな、
そんな女々しい想いにどっぷりと浸りました。

翌1日の解団式を終え、
12時少し前に渡辺の運転で雨の郡山を後に。
東北道の栃木との県境を越えるあたりで空に月明かりが。
2001年の中秋の満月が顔を出し、みごとな月夜となりました。
大谷でクルマを停めて、30分ほど家庭用のビデオで撮影。
朝4時過ぎに帰京。
福島が満月で見送ってくれたようで、嬉しかった。


お目にかかれた人も、かかれなかった人もいましたが、
「むじなの森」は最後の最後まで心に残るものとなったこと
ご報告しておきます。
折りをみて、例のホームページにも
この数日の顛末を紹介していくつもりです。
だからときどきはクリックし、後日談をたのしんでください。



山田さん、それでは後を頼みます。
いつか東京で会いましょう。




 
菱沼さん提供のCleo Laneの「Summer Time」を聴きながら
2001.10.3朝 T.M