2001 09/23 20:12
Category : 日記
久しぶりに立原道造の《夏の弔ひ》を読む。《風のささやんか村》で使っていらいだ。むじなの森があと七日となって、読んでみようか思った。
逝いた私の時たちが
私の心を金にした 傷つかぬやう傷は早く復るやうにと
昨日と明日の間には
ふかい紺青の溝がひかれて過ぎてゐる
投げて捨てたのは
涙のしみの目立つ小さい紙のきれはしだった
泡立つ白い波のなかに 或る夕べ
何もがすべて消えてしまった! 筋書どほりに
それから 私は旅人になり いくつも過ぎた
月の光に照らされた岬々の村々を
暑い 乾いた野を
おぼえてゐたら! 私はもう一度かへりたい
どこか? あの場所へ
(あの記憶がある 私が待ち それをしずかに諦めた……)
逝いた私の時たちが
私の心を金にした 傷つかぬやう傷は早く復るやうにと
昨日と明日の間には
ふかい紺青の溝がひかれて過ぎてゐる
投げて捨てたのは
涙のしみの目立つ小さい紙のきれはしだった
泡立つ白い波のなかに 或る夕べ
何もがすべて消えてしまった! 筋書どほりに
それから 私は旅人になり いくつも過ぎた
月の光に照らされた岬々の村々を
暑い 乾いた野を
おぼえてゐたら! 私はもう一度かへりたい
どこか? あの場所へ
(あの記憶がある 私が待ち それをしずかに諦めた……)