惜別の歌
誰が歌ったのか忘れたが、

 「遠き別れに耐えかねて
  この高殿に昇るかな
  哀しむなかれ我が友よ
  旅の衣を整えよ…」

といった出だしの歌。たしか《惜別の歌》といったか。
氷雨の中を歩いて、この一節だけを思いだした。むじなの森は、さぞ寒いのだろうな。