昼顔の朝の夕
広島島流しから無事にカムバックしたという人と会うために東京駅に降りた途端、ものすごい雷雨にあった。思わずカバンを取り落とし15cmはとびあがったと思う。
100m先くらいに稲妻が走り、おれはもう生きた心地がせず、道行く人に抱きつこうと若い女を物色したが、手ごろなのがいずに困った。ふと昨夜見つかった携帯を持っていることに気づく。ワラにもすがる思いでプッシュ。いや人の声があんなに救いになるとは…
しかし雷というのはまことに怖いな。
あれ以上続いたらきっと腰が抜けただろうな。

打ちあわせをすませ、帰路につくころはきれいな夕日が雨上がりの空を染めていた。

家に戻って夜霧のブルースと昼顔の朝としのび逢いを繰り返し聴く。こんな夕やみによく似合っている。