東京ボイラー室に5分滞在し撃沈される
タバコを買いに外に出た。東京の午後は巨大なボイラー室だ。ボイラー室の熱気の中を服を着てネクタイをし靴を履いたひとが銀行のビルを出入りしている。シュールな光景を横目に販売機に1000円札を入れる。戻ってくる。入れる。戻る。三回繰り返し、思いきりケリを入れる。また戻る。ケリを入れる。店の人間が出てくる。ライターと缶コーヒーをおまけにつけてくれたので許す。そのまま道端に座り込み、ロングピースに火をつけ、缶コーヒーを一息で飲んだ。即汗が噴きだす。身体にしみこんだユーカリの匂いもいっせいに。
目の前をいかしたミュールがよぎっても顔上げて確かめる力が出ない。缶コーヒーとタバコを店の前の道の真ん中に置き、部屋に戻った。外での滞在時間、本日は約5分。
なんだか一生外で過ごしたような気分だ。
机の明かりをバイオライトから泣く泣く蛍光スタンドにチェンジ。あれだけ嫌っていた蛍光灯の明かりがとても涼しくうれしい。

さて檄を書くぞ。
ひといきで書き上げ、さっさと投函。
大段平がうなっておるわい。