「インコは戻ってきたか」★
「インコは戻ってきたか」篠田節子/集英社刊を読む。

篠田はどうしちゃったのか。小池真理子のように「大人の恋」を描きたくなったのか。そして小池のように筆が萎えてしまうのか。ここ数年、小池の小説がつまらくなった最大の理由は「恋」に向かったこと。バカな批評家がバカな持ち上げ方をするものだからつまらない守りに入ることになる。まして政治をからめた愚。
二十年前ならいざしらず、いまの世界で政治体制などがどんな表現のターゲットに成りえるというのか。
せっかくの豊かなイマジネーションを物語ることに集中しきれなくなると、くそのようになる、という好例。

楽しみが一つ減った。