兆しは、いずこ。
気がついたら午後3時。
ベッドから徘徊老人のように降りてバスルームへと這っていくような気分でたどりつく。
吐き気をこらえながら歯をみがき、水量を最大にして東京のどぶのような水道水シャワーの下に10分。
目はさめず。
バスローブのまま、コーヒーをわかし、パンをかじる。口中に砂のような感覚が広がる。
朝刊にさしはさまれたチラシの中にJTBの未来博バスツアーの案内が。このまま浜松町に向かって飛び乗ろうとふと思った。
ごみカゴにねじ入れた。

抑制。カットアウト。暗転。

メールをチェック。
佐藤くんから現地レポート。昨日は二度、落雷騒ぎがあったが、ぶじに避難誘導できたこと、そのときジ・アース館には500人の観客と1000人の入場者の列があったらしい。
むじな森の雷雨。
テントのジ・アース館にいると雨の音は増幅され、豪雨のような気分に見舞われることを思いだす。
過ぎた日のいくつかの鮮明なショットがよみがえる。

抑制。抑制。抑制。

ラックから吉田拓郎を探す。
埃をかぶったそのコンプリート集から初期の「元気です」を選び、リピート。
夏休み、旅の宿、たどりついたらいつも雨降り、祭りのあと…
と、気の抜けたエビアンのような曲のつながりをボリュームを最大にして聴いた。

ハワイ・コナが切れたのでオアフの宇井さんにメールで注文。コナに媚薬でもまざっていたのか、マウナケア以来、飲みつづけたハワイ・コナすでに2キロを越えて、おかしな夢ばかり見て日々が過ぎていく。

八王子39.1℃、熊谷39.6℃と新聞に。
さて今日の東京はどんな暑さだったのか。
外界をすべてシャットアウトして、
どこか塹壕のような場所にこもりたいと痛切に願う。

特別な場所があって、自分はそこにいない。ロックアウトされた校舎の外に買いだしに出て、戻ろうとしたら周囲をびっしりと機動隊に囲まれていて、サーチライトで照らし出された校舎を見上げて歯がみしている。たとえてみればそんなところか。

まいったな。