満月号外。
Subject: [the-earth:00459] むじなの森から《満月号外》

ましこ@むじなの森です。



    山田さん、玄界灘はもう越えてますか?

    むじな山は毎日、すごい陽射しです。
    日中の数時間は純度150%くらいの紫外線が降っています。
    それでも夕暮れからは森の木々が送ってくれる風で 
    ずっとしのぎやすいけどね。

    むじな山のジ・アースは、すべて順調です。
    映写機も、例の解決策の発見以来一度もトラブルなし。
    待ちに待ったドイツからの使者も今日の夕、森に到着。
    休む間もなく映写室に入りました。
    もちろん映写室にはあの起きあがりこぼし白虎隊の一人もいます。
    池田将軍は張りつめていた糸がゆるんだのか、
    入り口脇の丘に大の字になって「森のひとだぞぉ」とつぶやいて
    珍しく曇ってしまった十四夜の夜空を見上げていました。
    やきもきしていた例のスクリーンはその後切れることなく
    引き上げられては夏風を受けて
    不思議な表情をつくっては楽しませてくれてます。
    昨夜からはじまった噴水とライトアップのテストを見ていると
    予想を大きく超えた素晴らしい水のファンタジーが
    ぼくたちのジ・アースの眼前に広がってくれそうです。
    テストで流れる音の迫力には、ちよっと腰が引けたけど…


    アテンダント諸君も日ごとに精かんさを増しています。

    昨日はプレス発表がありました。   
    安藤さんがつれてきた小学校の生徒たちが中心になって、
    あの森のひとにもいのちが吹き込まれたよ。
    ぼくはすっかり「森のひと=安藤さん」のファンになりました。

    この日のようすを福島民報と福島民友の二紙が一面トップで伝えました。
    一紙はトップの写真をジ・アースの全景で、
    もう一紙はトップを「森のひと」完成の瞬間の写真で飾りました。
    その「森のひと」の完成写真の小学生たちにまじって、
    願いの木片を神妙な姿勢で捧げるタカハシオヤブンや
    そばの小学生に笑いかけるジャンヌ・ゴトウもなぜか写っています。
    数日中に例のむじなの森のページにナベちゃんが巨大な写真を
    載せてくれると思うからクリックしてさらに虫眼鏡で確認してください。

    なお、ワタクシがにんまりしたのは大きな活字で組まれた
       「ジ・アース迫力の立体映像
        本物の雪舞う
       《圧巻》の演出」
    という三行の見出しだった。「悪漢の演出」ではないよ、念のため。


    湯治部演出からアドバイスをひとつ。
    北九州で疲れがたまったらちょっと足をのばして
    鹿児島空港に飛んでください。タクシーを15分飛ばすと、
    霧島温泉という山あいの温泉郷があります。
    そこに離れの里「雅叙苑」という旅館があります。
    風の間という部屋をとってみてください。
    ただ一泊するだけで癒される湯治部の折り紙つきです。
    
    
    いよいよ明日6日、開幕式を迎えます。
    昨日まで水のアトリエの専属掃除人と化していたタカハシオヤブンは
    開幕式を前に土ぼこりの始末にホウキとホースで苦戦しています。
    池田将軍はさすがに疲れがピークのようです。
    酒を呑む元気も、心なしか萎えているように見受けられます。
    若大将タッチャンは上へ下へ右へ左へ麓へ山へと相変わらずの八面六臂ぶり。
    ただし昨日あたりからさすがに疲労が目立ってきました。
    でも彼は大丈夫。山田将軍に可愛がられたせいか、まだ笑顔を残してます。
    そして我がジャンヌ。いや我らがジャンヌ・ゴトウですが、
    満身創痍を絵に描いたようなやつれぶりながら、
    あいかわらず「引くものは切る!」と五稜郭の土方歳三のよう。
    今日もぼくは「最後なんだから妥協なんかしちゃだめだよ!」と
    ライトのことで叱り飛ばされました。
    もういいから飯でも食べれば、と言おうと思ったがやめときました。
    あいかわらず独り言を人に向かってつぶやきながら、
    最後の山を越えようとしています。


    山田さんが玄界灘を越えたあと、森に残ったむじなたちの、これがその後で す。



    明日は十五夜。
    2001年の七月の満月に限り、
    晴れようと曇ろうと雨が降ろうと、望月の宴を開催することに決めました。

    西で東で、森のテント小屋でホテルの小部屋で居酒屋の暖簾の陰で、
    満月を心に抱いてグラスを傾けてください。天候はいっさい問いません。
    ともにむじな山のむじなの森の終わりと始まりを愉しみましょう。

    (でも、料理屋に酒を持ち込まないでね、一人の時は…)