ロケハン第3日
27日午後3時 雪の首都高速から

猪苗代は、吹雪。
ロケハンの結果、町営牧場奥の林の前を第一候補に決定。
11時に現地解散し帰路につく。
磐越道が事故渋滞のため国道49号で郡山に向かう.

猪苗代湖で猛吹雪になったので、
湖畔にそってしばらく走ってみたが
文字通り一寸先が見えず引き返す。
国道沿いの水田地帯の地吹雪はなかなか味あり。
電柱の連なりとかすかにわかる家並が風情をたかめている。
生活者にとっては過酷な風景だが、窓越しに見ながら
この光景を野口英世が通い、斉藤清が愛し続けたことを
あらたて実感。厳しいのにやさしくて美しい。
さらに添えれば、儚げである。

人に夢を重ねて、はかない。

その儚げな地吹雪の地で解散したスタッフの一人が
会津若松に向かっていったという。
春爛漫の桜吹雪の撮影のときに生まれた出逢いを
この豪雪の中でふたたび確かめあうために…

一年間に渡るロケで、はじめて、会津から東京まで
くまなく雪が降っていた。首都もまた雪の中にある。
会津よりはいくらか水気の多い重たげな雪だが。
雪を求めるロケハンの帰路にはこれも似合っている。

ロケハン、以上をもってぶじ終了。
雪の福島は二つのシーンに限定します。
ひとつは舘岩村曲家集落での21世紀ベビー誕生。
もうひとつは猪苗代の地吹雪。
余白を残さず、この二シーンに全力を集中します。



荒川を過ぎながら  M